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井上尚弥と対戦予定だったWBA世界フェザー級王者ニック・ボールとサム・グッドマンの世界戦はボールの判定勝利(写真・ロイター/アフロ)
井上尚弥と対戦予定だったWBA世界フェザー級王者ニック・ボールとサム・グッドマンの世界戦はボールの判定勝利(写真・ロイター/アフロ)

「井上尚弥の相手じゃないね」“ドタキャン”グッドマンに苦戦したWBA世界フェザー級王者のニック・ボールに大橋会長が失望する

 

 阿部は、挑戦者決定戦に勝ち、昨年3月にニューヨークで当時のIBF世界同級王者のルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)に世界初挑戦したが8回TKO負けで世界との差を見せつけられた。だが、再起し、ロンドン五輪銅メダリスト、清水聡(大橋)とのザバイバル戦はドローに終わったが、もう一度、世界に近づく手段として今年6月に日本同級王座決定戦に挑み判定勝利で3年ぶりに王者に返り咲いた。10月21日には同級1位の殿本恭平(勝輝)と初防衛戦を行うことになった。
「ボールは強いチャンピオンだが、この前の試合はグッドマンの良さが出た試合。ボールに自分ならこうなるをイメージしながら見ていた。足を使うだけでなく、ガードを上げて距離の近いボクシングをミックスさせる新たな形を今作っている。噛み合うと思う。それができれば、十分にボールでもやれる。まずは日本タイトルを防衛して『もう一回世界へ行っていい』と思ってもらえないとチャンスはこない。1戦1戦クリアして世界を目指していきたい」
 ボール陣営が来年にも井上戦を本気で狙っているのなら、まずその前に日本人の世界ランカーとの“前哨戦”が組まれる可能性もゼロではないだろう。阿部はそうなった際に名乗りをあげたいと考えているのだ。そのためには11年前に新人王の決勝で判定勝利して以来の再戦となる殿本戦でインパクトを残しておかねならない。
 大橋会長は、井上の現状を報告した。
「素晴らしい出来だね」
 環境を変えて緊張感を保つため帝拳に乗り込んで13年目ぶりの出稽古も敢行した。
 WBOアジアパシフィック・フェザー級王者で、WBA同級4位の藤田健児、日本バンタム級王者でWBA世界同級4位の増田陸と拳を交えた。7月からは元WBA&IBF世界スーパーバンタム級王者で、井上が10回に仕留めてベルトを奪ったマーロン・タパレス(フィリピン)が来日中で、帝拳からも、WBOアジアパシフィック同級王者でWBA同級4位の村田昴、OPBF東洋太平洋フェザー級王者でWBC世界同級7位の中野幹士らとスパーリングを行ってきた。
 SNSでは「減量をしていないタパレスのでかさ」が話題になっているが、大橋会長は「でかくないと耐えられない。タパレスはいいですよ。井上とやった時よりも強くなっている」と説明した。
 減量をせず実質の階級が上になっているタパレスでないとモンスターの相手にならないのが実情なのだ。最強の挑戦者との防衛戦を前に井上に死角はない。
 その井上のスパーを連日欠かせずチェックしている大橋会長だからこそ、ボールの戦いとの対比で、なおさら「相手にならない」と実感したのかもしれない。
 今後はタパレスと中野が5ラウンドずつの10ラウンドのロングスパーを予定しているという。
 すでに1万7000人が収容できる名古屋のIGアリーナのチケットは完売。当日は、全国の映画館でのパブリックビューイングが実施される予定となっている。

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