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日大三の“2年生4番”田中諒が先制打。今大会で2本塁打&打率は.444の怪物ぶり(写真・スポーツ報知/アフロ)
日大三の“2年生4番”田中諒が先制打。今大会で2本塁打&打率は.444の怪物ぶり(写真・スポーツ報知/アフロ)

衝撃!決勝進出の日大三“2年生4番”田中諒は「巨人の岡本和真の高校時代よりも凄い」…元ヤクルト編成部長は「セ・リーグDH制の申し子」と評価

 第107回全国高校野球選手権の準決勝2試合が21日、甲子園で行われ、日大三が県岐阜商、沖縄尚学が山梨学院を下して23日の決勝へ進んだ。注目は日大三の2年生4番の田中諒だ。県岐阜商戦でも先制タイムリーを含む5打数3安打でチームの決勝進出を牽引。今大会では低反発バット導入後初の複数本塁打となる2本塁打を放っている。元ヤクルト編成部長で故・野村克也氏の参謀としてコーチも務めた松井優典氏は「巨人の岡本和真クラス。打てるゾーンはむしろ広い」と絶賛した。

 先制打&激走で大会打率.444

 とても2年生とは思えない。
 1m80、92Kgの堂々たる体躯。オーラのようなものを纏う日大三の4番、田中諒がすり足でタイミングをはかると、どんなボールでもスタンドインさせてしまいそうなのだ。
 横浜との高校野球史に残る激戦を制して準決勝に進んできた県岐阜商を相手に先制点は、その怪物2年生の田中が叩きだした。
 1回一死二、三塁。柴田蒼亮のチェンジアップを引っ張った鋭い打球が三遊間を襲う。遊撃手のグラブを弾き、どこにも投げられない。先制点がスコアボードに刻まれた。
 6回には先頭打者として外角高めのストレートを捉えると、打球は左中間を真っ二つ。ワンバウンドでフェンスの上にあたって跳ね返った。得点にはつながらなかったが、1点を追うチームに「いけるぞ」との気持ちを伝える二塁打となった。
 そして8回には足で魅せる。先頭打者として高目に浮いた初球のストレートをセンター前へ弾き返して出塁した。一死一、二塁となり、「守備と走塁に自信はない」そうだが、近藤優樹の投手の足元を襲ったゴロにショートのグラブが届かず、カバーに入ったセカンドが打球を弾いてセンターへ転がったのを見ると、すでに三塁を回っていた田中が好判断でホームを狙い、ヘッドスライディング。執念の同点劇を50m6秒8と意外に速い足で演出したのである。
 9回には歴史に名を刻みかけた。一死一、二塁から初球の143キロのストレートを高々と打ち上げた打球は詰まっていた。だがぐんぐんと伸びて背走したセンターがフェンスの手前のウォーニングゾーンでよろけながらもなんとかキャッチ。改めて怪物ぶりをアピールした。もしオーバーフェンスしていれば、今大会3本目。2年生での夏の甲子園での3本塁打は、1984年にPL学園時代の清原和博が作った記録に並ぶところだった。
 だが、さすがにまだ2年生。
 タイブレークに入った延長10回表に日大三は連続タイムリーで2点を勝ち越した。その裏、一死一、三塁となって、レフトから一塁の守りに代わっていた田中がベンチへ退いた。6回の激走後に「足がつった」と訴えていた。田中に代わって一塁に入った古関健人が強烈な打球を体で止めるファインプレーでゲームセット。ベンチで田中は胸をなでおろしていた。
 元ヤクルト編成部長で阪神ではスカウトを務めていた松井氏は田中の打撃を「巨人の岡本和真クラスだ」と称えた。

 

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