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日大三の“2年生4番”田中諒が先制打。今大会で2本塁打&打率は.444の怪物ぶり(写真・スポーツ報知/アフロ)
日大三の“2年生4番”田中諒が先制打。今大会で2本塁打&打率は.444の怪物ぶり(写真・スポーツ報知/アフロ)

衝撃!決勝進出の日大三“2年生4番”田中諒は「巨人の岡本和真の高校時代よりも凄い」…元ヤクルト編成部長は「セ・リーグDH制の申し子」と評価

 松井氏はヤクルト編成部長時代に甲子園で直接智弁学園時代の岡本をチェックしていた。
「田中は柔らかくパワーがある。ボールをコンタクトしてからフォローにいくときに、左膝が割れるんだけど打球方向へ向かって体重が乗る。だから広範囲にわたって打球が飛ぶんだよね。それとバットに振り幅があり、そういう体の使い方ができるから、どんなボールにも対応できる。2本のホームランは1本目が内角ストレートで2本目がスローカーブ。どんなボールでも飛ばしてしまう」
 田中は初戦の豊橋中央戦では2-2で迎えた8回に勝負を決める値千金の1号をレフトスタンドの最前列へ叩き込んだ。雨のしかもナイターの甲子園で、ボール2からの138キロの内角ストレートを見事に体を回転させてスタンドインさせてしまった。
 準々決勝の関東第一戦では、5回に二刀流左腕、坂本慎太郎の107キロのスローカーブを引き込み、レフトの中段にまで持っていった。関東第一バッテリーは、徹底してアウトコースにボールを集めていたが、田中のパワーが上回った。
 2024年のセンバツで低反発バットが導入されて以来、1大会での複数本塁打は田中が初。しかも、4試合で打率は.444で、長打率は.833、OPSは1.278である。
「高校時代の岡本より上だと思うのがその点。あの頃の岡本はツボにはまれば飛ばすが打てるゾーンはそこまで広くなかった。高校生の時点でのコンタクトゾーンは田中の方が広い。そこは岡本より凄いよ」
 松井氏はそう評価し、こう付け加えた。
「岡本は三塁手として守りも良かった。田中は、守りでは岡本に一歩も二歩も劣る。レフトにもチャレンジしているようだが、まだ動きはぎこちない。ただ2027年からはセ・リーグでDH制が導入される。2年生の田中のドラフトは2026年だから、そこにピタリとあてはまるよね。セ・リーグのDH制の申し子になるかもしれない」
 松井氏が指摘したようにセ・リーグは2027年からDH制度を導入することを決定した。高校野球では、来年のセンバツからDH制度が導入される。まさに守備に不安の残る田中に合わせたかのように時代が動く。
 明日23日の決勝では同じく沖縄尚学のスーパー2年生、末吉良丞との対戦が予想される。
「右打者が苦労している1級品のスライダーに田中がどう対応するか。清原の記録に並べばまた箔がつくね」と松井氏。
 阪神にドラフト1位指名された高山俊らを擁して優勝した2011年以来、3度目の頂点へ。怪物2年生4番のバットが、日大三の命運を握っている。

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