
那須川天心が自腹開催の「天心祭」で11月のWBC王座決定戦挑戦明言も「対戦準備ができている」2位の井上拓真はIBF王座に照準で実現せず?!突然将来的なスーパーバンタム級転級も示唆
天心が世界を取ればファン垂涎のマッチメイクの可能性が広がる。井上拓真戦もそうだが元K-1王者でWBO王者の武居由樹(大橋)というライバルがいる。武居は9月14日の井上尚弥のアンダーカードでクリスチャン・メディナ(メキシコ)との指名試合を控える。メディナは天心が「強くなっている」と太鼓判を押す元スパーリングパートナー。天心と武居はなんとも不思議な糸でつながっていて「いずれ絶対にやる運命」と、天心も公言してはばからない。だが、この日、天心は記者が誰も質問していないのに唐突にこんな話を始めた。
「(世界を)取ったからといってずっと同じ階級でいるとは考えていない。そこだけは言っておきたい。ずっとバンタムにいると思っていない。いきなりヘビー級や、カネロとクロフォード(の対戦勝者)を狙うかも。性格的にずっと同じ階級ではやらない。祭りを開くくらいだから、自分も祭りをしたい」
2階級制覇、スーパーバンタム級への転級の可能性を早くも明かしたのだ。それは、いつの日か、モンスターに挑む覚悟を示唆したのだろうか。
ただこうも付け加えた。
「でもまずは世界を取らないと。そっからじゃないですか。そうでないと説得力はない。格闘技である以上、ベルトを取って、4つ団体がある。そこでしっかり名を残す。すぐには(階級を)上げない。やるべきことがいっぱいある。やるべきことがなくなれば上げたい。今年から来年、再来年が楽しみ」
名を残し、やるべきこと…すなわちそれはベルトの統一だろう。
WBA正規王者は、比嘉大吾(志成)を相手にドローで辛くもベルトを守ったアントニオ・バルガス(米国)。目の手術で休養王者となっている堤聖也(角海老宝石)との王座統一戦が天心の世界戦と同時期に控えているが、バルガスー比嘉戦を見る限り、堤がベストコンディションであれば、負ける相手ではない。堤もまた天心のターゲットの一人として急浮上してくる。
まずは11月に予定されている世界戦。
天心は、午前11時から午後8時まで、ぶっ通しで2日間、ホストを務める「天心祭」の間は「練習はしない」という。
「もともと日曜は休み。先週、前倒しで日曜に練習してきましたから」
実りの秋にするためへの充電の暑い夏。ファンからエネルギーをもらう「天心祭」は今日24日も続けて開催される。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)