
なぜ井上尚弥は最強挑戦者の発言を「的を外している」と批判し、大橋会長は「結末が見えた」とV予告したのか…「強引なボクシングをする気はない」が勝利へのカギ
大橋会長は当日のリングサイドに「来る日に備えて見てもらいたい」と来年5月に東京ドームでの対戦が計画されている中谷をM.Tジムの村野会長らを含めたチーム5人で招待したことを明かした。
井上は、中谷の来場そのものは「気にはしない」としたものの「ただ着々とその日に向けて進んでると感じる。あと2戦しっかりやり過ごさないとね」と前を向いた。
あと2戦とは、アフマダリエフ戦と、12月27日にサウジアラビアで予定されているWBC同級1位のアラン・ピカソ(メキシコ)戦だ。
モンスターは負けられないプレッシャーがあればあるだけ強くなる。
名古屋のIGアリーナの前売りチケットは10分で完売となった。1万7000人が収容できるが当日券はない。
「うれしいですよ、もちろん。アフマダリエフが相手で注目度も高い。なんといっても日曜の開催。”ど”平日の火曜とかの試合は来たくても来れないファンもいたと思うんで」とまで言うと、隣にいたプロモーターの大橋会長が苦笑いを浮かべて「すみません」と謝ると「いや、本当にすみません」と思わず前言を撤回した。
コンサートなど、エンターテイメント業界が活況で、数年先まで関東圏の会場の土日祝日はほぼ全滅状態。国内で井上が日曜のリングに立つのは、WBO世界スーパーフライ級王者時代の2017年5月21日の日曜に、有明コロシアムで指名挑戦者のリカルド・ロドリゲス(米国)を3回にかたずけて以来だ。
一方でチケットが10倍以上で転売される問題も生じたが、大橋会長は「すでに動きました」と対策を打ったという。
9.14の名古屋決戦まで残るは中野との2度の最終スパーだけ。
「あとは怪我だったり、風邪予防とかだけ。体は仕上がっている。細かいところを気をつけてやっていく」
井上尚弥に死角はない。
(文責・本郷陽一、RONSPO、スポーツタイムズ通信社)