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大谷がスクランブル登板で力投を見せるも(資料写真・AP/アフロ)
大谷がスクランブル登板で力投を見せるも(資料写真・AP/アフロ)

「大谷翔平は病み上がりで疲れ果てていた」フリーマンが気づいた5時間前打診の緊急登板の大谷の異変…それでも100マイル連発で4回途中無失点に敵将は「えげつないボールだった」

 ドジャースの大谷翔平(31)が5日(日本時間6日)、敵地でのオリオールズ戦に「1番・投手兼DH」で先発し4回途中まで無失点に抑える好投を見せた。先発予定のタイラー・グラスノー(32)が背中の張りを訴えたことによるスクランブル登板。チームは1-2でサヨナラ負けを喫したが、フレディ・フリーマン(35)は、汗を吹き出して疲れた様子の大谷が決してベストな体調でなかったことを示唆。またオリオールズのトニー・マンソリーノ監督代行(42)は「彼はユニコーンだった。彼のボールはえげつなかった」と100マイル(約161キロ)超えのストレートを連発させた大谷の投球を絶賛した。

 「大谷はユニコーンだ」

 やはり大谷翔平はタダものではなかった。先発予定だったグラスノーが背中の張りを訴えて投げられなくなり、大谷に代役の登板打診があったのが、試合開始5時間前の午後2時。米動画サイト「ドジャーブルー」によると、大谷は「いけるよ」と快諾したという。
「幸いにして、昨日(準備の)キャッチボールはやっていた。起きた感じ体調も良かったので、いけそうだった」
 大谷は喉が痛いなどの風邪の症状のため3日に予定されていたパイレーツ戦の先発を回避していた。
「今日は比較的治り際だったので体調的には(パイレーツ戦の)ピッツバーグよりも全然良かった。ピッツバーグの1、2試合目(2、3日)が一番きつかった」
 そう振り返った大谷は快調にスタートを切った。配球のサインを任せたダルトン・ラッシングとの息が合わず、何度もクビをふり、いきなり2人目の打者の打席で、ラッシングをマウンドに呼び寄せるシーンもあったが、2回二死二塁のピンチにもディラン・ビーバーズに101マイル(約162.5キロ)のストレートで追い込み縦に落とすスライダーで三振。3回二死一、二塁にも3番のガナー・ヘンダーソンをカットボールで投ゴロに打ち取り得点を許さない。
 4回には先頭のライアン・マウントキャッスルに二塁打を許して、続くコルトン・カウセルの3球目のカーブをラッシングが止めきれずに後逸(記録は暴投)して無死三塁になるとスイッチが入った。100マイル(約161キロ)、101マイル(約162.5キロ)のストレートを連発して追い込み、最後はアウトハイの101マイル(約162.5キロ)のストレートで三振。さらに続くエマヌエル・リベラには3球連続で100マイル(約161キロ)超えのストレートで勝負してカウントを作り、最後はスイーパーでバットに空を切らせた。スコアは0-0。内野は前進守備を敷いていたが、1点もやれない場面で大谷は2アウトを取った。
 大谷は「投げ切りたかった」そうだが、続く左打者のビーバーズを迎えたところでデーブ・ロバーツ監督は交代を告げた。球数は70球。大谷の体調を配慮して「4回60球」の予定だったという。
「翔平もスクランブルだったが、いい仕事をしてくれた。球数が多すぎると感じていた。4回のあの場面まで多くの力の入ったボールを投げていた。あと一人のためにリスクを冒すつもりはない。フレッシュなリリーフが控えており、左打者を任せた方がいいと判断した。通常であれば続投させたかもしれないが、今回は短い準備期間での登板だったので、あそこで交代させるのがベストだったと思う」
 前出の「ドジャーブルー」がロバーツ監督の説明をこう伝えた。
 あとを受けたアンソニー・バンダは四球を与えたが、後続を断ち、大谷は無失点のままスクランブル登板の役目を果たした。 
 大谷は「(風邪は)比較的治り際だった」と言うが、異常に汗を吹き出し、肩で息をしていた。その表情やいつもと違ってイラつくような動作に明らかに「体調不良」が色濃く出ていた。ロバーツ監督の決断は正解だっただろう。
 一塁を守るフリーマンもその大谷の異変を見逃さなかった。
「1、2イニング投げただけで彼は疲れ果てていた。蒸し暑さに加えて、彼はまだ体調が万全ではない。まだ病み上がりなんだ」

 

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