
日米通算200勝達成にラストチャンスを残した巨人の田中将大の来季はどうなるのか…中日戦では2被弾を含む5失点も3回パーフェクトの「不思議投球」
巨人の田中将大(36)が21日、バンテリンドームでの中日戦に先発、6回途中までで2被弾を含む5安打5失点で4敗目を喫して、史上4人目となる日米通算200勝は次戦への持ち越しとなった。ストレートの球威、変化球のキレ、制球力共に欠けていて、立ち上がりにつかまるも3、4、5の3イニングは、3者凡退に抑えるなどして立ち直る“不思議な投球内容”だった。28日のヤクルト戦(神宮)が今季のラスト登板となりそうだ。
2被弾5失点も阿部監督が来週の起用を明言
「マー君、神の子、不思議な子」
そう評したのは、楽天監督時代の“名将”故・野村克也氏だ。まさにこの日の田中は、「不思議な子」だった。
立ち上がりから、そのボールにキレも球威も感じさせなかった。ファームで鍛え直して、復活の兆しをつかんだのは、ストレートの質を高めたこと。内角を攻めるそのボールがあるからこそ、変化球もコントロールも生きていたが、この日はストレートに力がない。1回二死から上林に手元での変化の甘いツーシームを強いリストでライトスタンドへ運ばれた。続く細川を歩かせ、ボスラーにも高めに浮いた146キロのストレートをライト線へ引っ張られた。素晴らしい中継でホームに突っ込んだ細川は、アウトとなったが、続く2回にも一死一塁で、石伊のインサイドを攻めきれず、甘いスライダーをレフトスタンドへ放り込まれた。逆転2ラン。初回に岡本のタイムリー二塁打で、もらった援護点を吐き出してしまった。
だが、3回からのマー君はまるで別人。丁寧にボールをコーナーに集めて、3、4、5の3イニングをパーフェクト。細川には、外角のボールゾーンの変化球で空振りに仕留め、ボスラー、ロドリゲスは、裏をかいての見逃しの三振。4回はわずか12球だった。5回には、セーフティーバントを仕掛けてきた岡林の三塁側への打球を自ら素手で処理して好フィールディング。我慢の投球が続くが打線は、5回に丸が大きなバウンドでセンターを超える打球で三塁を狙ってアウトになるなど空回り。
田中は6回に再びつかまった。先頭の田中のボテボテの三塁ゴロをあらかじめかなり前を守っていた岡本がアウトにしてくれたが、一死一塁から、細川に高めに浮いたスライダーをセンターフェンス直撃のタイムリー三塁打とされたところで、阿部監督がベンチを出てきた。マー君は、阿部監督がマウンドに到達すると同時にマウンドを降り、指揮官はその肩をポンと叩いた。ベンチに戻ったマー君は、悔しそうに下を向き、しばらく顔を上げなかった。
試合後に「コントロール」を課題にあげたという。