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巨人の大物OBである広岡氏は5位に低迷する原監督の采配に厳しい指摘をした(写真・黒田史夫)
巨人の大物OBである広岡氏は5位に低迷する原監督の采配に厳しい指摘をした(写真・黒田史夫)

「孤立している原監督に観察力と厳しさが足りないのが低迷理由」大物OBの広岡達朗氏が5位低迷の巨人に“辛口”喝!

 巨人がもがき苦しんでいる。5月に入っても5勝6敗と波に乗れずに借金「4」で5位に低迷。首位の阪神とのゲーム差は、まだ「5.5」に踏みとどまっているが、巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏は、原辰徳監督(64)に「厳しさを出して雰囲気を変えよ」と“辛口の檄”を飛ばした。

 「菅野は何をしているのか?」

 

 巨人が波に乗れない。
 先の本拠地での広島3連戦は、2試合連続でストッパーの大勢が救援に失敗するというショッキングな出来事があった。13日の第2戦は延長12回になんとか逆転サヨナラ勝利を収めたが、翌14日は完敗して、今季6度目のカード負け越しを喫した。
 チーム得点、チーム本塁打数はリーグトップだが、チーム防御率は4.20で12球団ワースト。“魔の8回問題”が浮上するなど“投壊現象”に歯止めが効かなくなっている。
 巨人の大物OBである広岡氏は、原監督の「継投ミスが目立つ」と指摘した。
「中継ぎが苦しいから先発を無理に引っ張ろうとして打たれ、早めに交代すれば、今度は中継ぎが耐えきれないという悪循環。魔の8回という言葉が表面化するなど、原が継投のタイミングと人選を見定めることができていない。指揮官としての観察力に欠けている」
 14日の広島戦では6回まで1失点(自責0)に抑えていた赤星が7回にマクブルームに満塁弾を浴びてベンチでタオルを頭からかぶり落ちこんでいた。
 先発ローテーで安定しているのは戸郷とグリフィンの2人だけ。
 広岡氏は「菅野は何をしているのか?」と疑問を投げかけた。
「戸郷一人では先発のやりくりはできない。本来ならば戸郷と2人でチームの危機を支えねばならなかった菅野は、一体どこで何をしているのか。キャンプからの調整をすべて任せてもらって、どこが痛い、ここが痛いは高額年俸の選手として通らない」
 菅野は、コンディション不良で開幕前に戦線を離脱して以来、まだファームでの調整マウンドにさえ立てていない。
 不安定な先発陣に加えて、5月7日の中日戦まで6試合連続で8回に失点。“魔の8回問題”が厄介なウィークポイントになっている。一時、救世主的にドラフト3位の田中千がセットアッパーとして存在感を示したが、長くは続かず2軍での再調整を余儀なくされた。
 広岡氏は「オリックスの中継ぎのような剛速球を投げる若手がいず2軍レベルのピッチャーが出てきて打たれるのは当たり前だ」と手厳しい。
 また大勢についても「スピードがなくなっているのが気になった。疲れなのか、何か調整段階でのトレーニングに問題があるのか。大勢までダメになったらチームに何ひとつ武器がなくなってしまう」と危惧した。
 そしてBクラス低迷の“元凶“は「原にある」と辛口の檄を飛ばす。
「巨人は去年から何ひとつ問題を解決できないでいる。大変古い話で恐縮だが、三原さん、川上さんが監督の時代から、連綿と受け継がれてきた巨人の伝統が消え、もはや普通のチームに成り下がっている。巨人の伝統とは、レベルの高いチーム内競争であり、12球団で一番の練習量と質に裏づけられた自信だ。そのチームの雰囲気を歴代の監督が作ってきたのだが、今の原には、それができていない。実質、編成の実権も握っている原の責任は重い。原はベンチの中でも、巨人という組織の中でも孤立しているのではないか。誰も彼に対して耳が痛いようなアドバイスを送れないだろうし、彼自身アドバイスを求める人もいないのだろう。きっと、もがき苦しんでいるのだと思うが、向かっている方向性が見えてこない」

 

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