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2年前の大谷翔平の入団会見でのスタン・カステンCEO(右)。左はオーナーのマーク・ウォルター(写真・AP/アフロ)
2年前の大谷翔平の入団会見でのスタン・カステンCEO(右)。左はオーナーのマーク・ウォルター(写真・AP/アフロ)

「水原一平通訳がいなくなりショウヘイの素晴らしい人間性がわかった」ドジャースCEOが米番組で語った大谷翔平の「契約前と契約後」…「野球の国際化への役割」

 

 ドジャースは大谷との契約後に山本由伸、佐々木朗希を続けて獲得した。山本は2年目でデーブ・ロバーツ監督が「真のエースだ」と明言する立場となり、佐々木は、リリーフで存在感を示して、ポストシーズンで懸念の残るブルペン陣の救世主となっている。
「イチローが渡米した頃に私はMLB側にいた。当時、日本人の野手がメジャーでやれるのか、誰もわかっていなかった。それは興味深かった。彼は、最高の選手となり殿堂入りを果たした。アジア、とくに日本、韓国、台湾にもメジャーで通用する選手がいる事実を改めて示した。我々は、欲張りで常に次の逸材を探している。これまで以上に時間とスカウト活動を投じている、それはイチロー以降にわかっていた事実を改めて裏付けたにすぎない」
 さらにカステンCEOは大谷と総額7億ドルで大谷と契約した後の2年間で「ビジネス面と人間性」の2つのサプライズがあったことを明かした。
「明らかに収益がアップした。チケットにスポンサー。球場を見渡せば、数年前に候補にすらならなかった新しいスポンサーの広告がたくさんある。海外のナショナルスポンサーも増えた。球場をいつ歩いても団体ツアーの一行に出会う。4つの言語に対応したグループがあるが、日本からロスを訪れる旅行者の30%がドジャーススタジアムに立ち寄るとの情報も耳にした」
 大谷のスポンサー契約が年間で約150億円に至り、昨季のドジャースの観客動員は史上初めて400万人を突破した。関大の宮本勝浩名誉教授は、先日、大谷のもたらす経済効果が約1302億8573万円にのぼると発表している。さらにカステンCEOは大谷の人間性に言及した。
「昨年、韓国で通訳(水原一平氏)の詐欺事件が報じられた後にわかったのは、それまでショウヘイについて我、々は多くを知らなかったという事実だ。あの壁(通訳)が取り払われるまでね。ショウヘイは、これや、あれを望まない、と通訳から言われ続けてきたが、それは彼の意向ではなく、通訳の意向だったのだ、我々はそれを知らなかった。通訳が去って、彼がどれほどユーモアがあり、楽しく、協力的で、いかに素晴らしいチームメイトであるかがわかった」
 大谷のドジャース入団1年目となる昨年の開幕シリーズは、韓国でのパドレス戦だったが、そこで水原一平氏が、不法なスポーツ賭博で作った借金を返すため、大谷を騙して不正にその口座から1700万ドル(約25億円)近くを送金した事態が発覚してチームを離れた。その後、水原氏は米刑務所に収監されることになるのだが、いつも影武者のように近くに寄り添っていた水原氏が、いなくなったことで、大谷が直接、コミュニケーションを取るようになり、その人間性が、チームメイトだけでなく、監督、コーチスタッフまでに知れ渡るようになり、さらに好感度や信頼度がアップしたという。
「チームメイトで彼を愛さない選手は誰もいない。誰よりも彼は努力をする。これらは、契約時にはわからなかった。グランド上のパフォーマンスが素晴らしかったため、彼と契約するつもりだったが、その後にわかった人間性は本当に素晴らしいものだった」
 明日5日からスタートするディビジョンシリーズの第1戦で大谷はナ・リーグの本塁打争いで1本差で敗れた56発男のカイル・シュワバーやMVP2度のプライス・ハーパーらを擁する強力フィリーズ打線を相手にどんなピッチングを見せてくれるのだろうか。

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