
大谷翔平はフィリーズ“56発男”シュワーバー封じの布石を打っていた?!…初のPS登板に期待されるこれだけの理由…「平均球速アップと質の違い」「左打者配球の妙」
CBSスポーツは「大谷のMLBプレーオフ投手デビューに期待すること」と題した記事を掲載して、エンゼルス時代の2023年から、2度目の右肘手術を経て復活した2025年の大谷がいかに進化したかを詳細に分析した。
まず最初に注目したのはフォーシームの進化だ。
平均球速が96.8マイル(約155.8キロ)から 98.4マイル(約158.4キロ)にアップ。 そこに「水平方向と垂直方向の両方でより“伸び”が加わり、リリースポイントも三塁側寄りに移動し腕の角度をわずかに低くしている」という。さらに大谷はフォーシームを主力の球種として使い、使用率は32.9%から38.6%へと上昇している。
そして2つ目の進化が変化球の使い方だ。
「ドジャースは明らかに大谷と協力し彼の多彩な球種を最大限に活かすよう取り組んでいる」
エンゼルス時代の大谷は、相手打者の左右を問わず全投球の60%以上をフォーシームとスイーパーで占めていた。今でも右打者にはその組み合わせで攻める傾向が強いが、左打者には、より繊細な攻め方をしている。左打者には、右打者に比べてフォーシーム34→44%、カーブ6%→12%、カット3%→11%、スプリッター2%→8%と増やし、スライダーはほぼ同じだが、逆にスイーパーは35%→10%、シンカー11%→3%と減らしている。見た目には多彩に球種をばらけさせているようだが、ランダムに投げているわけではないという。
研究によると、相手打者が逆(右投手なら左打者)である場合は「縦の変化」がより重要になる傾向があり、大谷が左打者に対してカーブやスプリッターを多く使っているのは理にかなっている。反対に右打者にはシンカーなど「横の変化」を活かしている。
同メディアは「理屈はさておき、大谷の純粋な投球能力そのものに感嘆せざるを得ない。90マイル台を常時出し、ストライクゾーンの4方向にそれぞれに変化する球を投げ分け、かつ安定してゾーンを突ける投手はほとんどいない」と評価した。