
「フランスでこの行為が禁止されているとは知らなかった」JFAが海外の機内で児童ポルノを閲覧した容疑でパリで逮捕された影山雅永・技術委員長を解雇
日本サッカー協会(JFA)は7日、技術委員会の影山雅永委員長(58)との契約を解除したと発表した。仏紙によれば、南米チリで開催中のFIFA・U-20W杯を視察するため2日に日本を発った影山氏は、機内で児童ポルノを閲覧した疑いで経由地のパリで当局に逮捕され、6日に執行猶予付きの有罪判決を受けていた。森保ジャパンを始めとする日本サッカーの強化及び育成を統括する技術委員長による前代未聞の不祥事を受けて、JFAの宮本恒靖会長(48)は「サッカー界として許容できるものではない」と怒りを露にした。
ノートパソコンで閲覧している姿を多数の客室乗務員が目撃して通報
日本サッカー界に激震が走った。
JFAの要職を務める幹部がパリで逮捕。さらに執行猶予付きの有罪判決をすでに受けたとする複数の仏メディアの報道を事実だと確認したJFAは、7日の理事会で当事者の影山技術委員長との契約解除を決定。公式HP上で次のように伝えた。
「本日の理事会において、影山雅永技術委員長と契約を解除し、技術委員長職の解任を決議しました。海外出張時の行為に対して有罪判決が出されたことを受けてのものになります。JFAとしては大変遺憾なことだと考えておりますし、ご心配、お騒がせしていることについて深くお詫びを申し上げます」
公式HP上では同時に宮本会長のコメントも掲載された。
「今回の件はサッカー界として許容できるものではない。これまでも取り組んできたものの、今回のことを契機に、サッカー界のガバナンス・コンプライアンス体制をあらためて見直すとともに、徹底的に強化・改善を、覚悟をもって図っていく。そして今一度、JFAの理念に立ち返って行動していく」
仏スポーツ紙の『L’EQUIPE』によれば、15歳未満の未成年者の児童ポルノ画像を所持及び輸入した罪などに問われた影山氏は、6日にパリ近郊の簡易裁判所で執行猶予付きの懲役18カ月の有罪判決を言い渡された。さらに罰金5000ユーロ(約89万円)も科された逮捕内容を、同メディアは次のように伝えている。
「日本サッカー協会の幹部は南米チリで開催されているFIFA・U-20W杯を視察するために2日に日本を発ち、同日に経由地のシャルル・ド・ゴール空港に降り立った直後に身柄を拘束されてそのまま逮捕された。エールフランス機のビジネスクラスに搭乗していたこの幹部は、ノートパソコンで児童ポルノを閲覧しているところを複数の客室乗務員に目撃されていて、機内からフランス当局に通報されていた」
影山氏は3日にパリからチリへ向かう予定だったが、チケットを購入していたエールフランス機に搭乗せず、JFAも消息がつかめない状況に直面していた。その間に警察の留置場に入れられていた同氏の公聴会での様子も同メディアは伝えている。
「客室乗務員から児童ポルノ画像の閲覧を指摘された際に『これは芸術だ』と反論していたこの幹部は、公聴会でも『AIによって生成された画像を見ていた』と主張。自らの行為を正当化しようとしたが、裁判官から『たとえAI生成物であっても児童ポルノに該当する』と一蹴された。最終的には『好奇心から見てしまった』と事実を認め、さらに『恥ずかしい気持ちもあってそう言ってしまった。フランスでこの行為(児童ポルノ閲覧)が禁止されているとは知らなかった』と当初の弁明を振り返った」