
「メジャー史上最も馬鹿な采配のひとつ」佐々木朗希を9回頭から起用しなかったロバーツ監督の“迷走継投”を通算116セーブのフィリーズOBが過激に批判「佐々木がいなければゴミ箱みたいなブルペン」
ドジャースが6日(日本時間7日)、敵地でのフィリーズとのディビジョンシリーズ第2戦に4-3のスコアで2勝目をあげ、5戦3戦先勝制で行われる同シリーズ突破に王手をかけた。3点リードで迎えた9回にデイブ・ロバーツ監督(53)が送り出したブレイク・トライネン(37)がワンアウトも取れず1点差。アレックス・ベシア(29)につないだがクローズできず二死一、三塁のピンチに最後は佐々木朗希(23)を投入して逃げ切ったが、佐々木を9回の頭から使わなかった采配に米メディア、SNSで批判の声が殺到した。フィリーズOBのリッキー・ボタリコ氏(56)は「メジャー史上最も馬鹿な采配のひとつ」と非難した。
9回に指名したのは9月の防御率8点台の37歳のトライネン
ロバーツ監督がまた迷走采配だ。
3点のリードで迎えた9回。指揮官がマウンドに送ったのは、ポストシーズンで2試合無失点の佐々木ではなく、37歳のベテラン右腕、トライネンだった。ワンアウトも取れず4番のアレク・ボームから、J.T・リアルミュート、ニック・カステヤノスに3連打を浴びて1点差に迫られた。
あわててロバーツ監督はベシアにスイッチ。無死二塁から、メジャーで「ホイールプレー」、日本で「ブルドッグ」と呼ばれるバント守備シフトでフィリーズのバントを三塁で封じたが、ベシアも代打のハリソン・ベイダーにヒットを許すなどして二死一、三塁の大ピンチを迎えて今季の首位打者トレー・ターナーの打順で指揮官はようやく佐々木投入を決意した。
米「スポーツネットLA」が伝えた試合後会見によると佐々木に心構えはできていた。
「右が続くので、そういう判断(最初はトライネン)があるのもわかっていた。上位に(打順が)いったらいくかもしれないと言われていた。気持ちの準備はできていた。いざいくとなったときは打たれてもしょうがないと割り切って自滅せずゾーンにいくことだけを心掛けていた」
メジャー初セーブをマークした4日(同5日)の登板は迷ったロバーツ監督のブルペンへの指令が遅れ、ウォーミングアップが間に合わないところだった。大谷翔平のバントの構えからの四球を選ぶ時間稼ぎのアシスでギリギリ肩を作ったが、「前回登板よりも時間があった。マウンドにいってストライクを取れる準備はできていた」という。
ターナーのデータは詳しく頭に入れてはいなかった。
「ストライクゾーンに投げること。カウントを悪くして、真っ直ぐだけの状況(狙われる)を作らないこと」
初球に選んだのは裏をかいたスプリット。ボールになったが続く2球目に「自分のいい球で勝負することだけを考えていた」とインハイへ159キロの渾身のストレートを投げ込む。ターナーの打球は詰まったが、佐々木が差し出すグラブをすり抜けた。その打球コースはセンターへ抜けてもおかしくなかったが、トミー・エドマンがセカンドベース寄りを守っていて正面のゴロとなった。だが、緊張で体が硬くなっていたのだろう。一塁への送球がワンバウンドになった。それをフリーマンがグラブですくいあげ、倒れ込みながらもボールを離さなかった。
佐々木は口をとんがらせ、そして安堵の笑み。
前出のサイトが伝えた試合後の会見によると、フリーマンも「白髪がもみあげまで伸びた。それくらいのプレッシャーだった」とジョークを交えて振り返った。
敵地で王手をかける2勝目をマークしたはいいが、佐々木を9回の頭から起用していれば、こんなピンチは招いていなかった。
なぜロバーツ監督は不可解な継投をしたのか。