
「クソみたいな送球だった…。最悪の気分だ」まさかの判断ミスの悪送球でド軍にサヨナラを許した悲劇の右腕カーカリングが心境を吐露…「プレッシャーに負けたとは言わない」
ドジャースが9日(日本時間10日)、本拠地でのフィリーズとのディビジョンシリーズ第4戦に延長11回に2-1でサヨナラ勝利して3勝1敗で2年連続17回目のリーグチャンピオンシップシリーズ進出を決めた。延長11回二死満塁から、アンディ・パヘス(24)は、投手の足元へのゴロ。終わったかと思えたが、打球を弾き、焦ったオライオン・カーカリング(24)が本塁へ痛恨の悪送球。サヨナラタイムリーエラーがフィリーズのNLDS敗退を決めることになった。
焦らず一塁へ送球していれば余裕でアウトだったが…
誰がこんな結末を予想できただろう。
フィリーズは、守護神のデュランを7回途中から投入したものの、大谷翔平との勝負を避けて申告敬遠したことが裏目に出て、二死満塁からムーキー・ベッツに同点の押し出し四球を与えた。
ドジャースも負けじと8回から佐々木朗希を3イニングの回跨ぎロングリリーフで起用。佐々木がその3イニングをパーフェクトに抑えてゲームは、1-1のまま延長11回裏に突入した。
フィリーズは第2戦で先発した左腕のヘスス・ルサルドを10回から投入していたが二死一、三塁のピンチを迎えるとカーカリングにスイッチした。カーカリングは、キケ・ヘルナンデスを四球で歩かせ、シリーズでわずか1安打と不振のアンディ・パヘスとの勝負となった。
カーカリングは、内角のシンカーで詰まらせて投手ゴロに打ち取ったかに見えた。だが、そのボールを弾き、捕手のJ.T・リアルミュートは一塁送球を指示していたが、焦って本塁へ送球。それが大きく三塁側へそれて、代走のキム・ヘソンがサヨナラホームを駆け抜けた。
次打者の大谷がジャンプしながらキム・ヘソンと抱き合い、ドジャースナインが、フィールドになだれこんでパヘスを祝福した。
米「スポーツネットLA」は、フィールド上でのヒーロー、パヘスのインタビュー映像を伝えた。
「あの瞬間のために準備をしていた。自分にチャンスが回ってくると信じていた。とにかく前へ飛ばそうと思った」
スペイン語の通訳を通じてパヘスは、投手ゴロを打った瞬間の気持ちをこう明かす。
「プレーの流れを見て彼(カーカリング)がホームに投げた瞬間、“これはうまくいかない”と直感した。一塁に投げると思っていたが、彼はホームに投げたんだ。その瞬間に“これは終わったな”と感じたんだ」
たとえ送球が、それていなくとも、キム・ヘソンが好スタートを切っていたため、ホームはセーフになっていたかもしれない。
パヘスはさらに興奮気味にこう続けた。
「ずっと仲間が支えてくれていた。調子が悪いときも“必ずおまえにチャンスがくる”と、言ってくれていた。それが今日現実になった」
一方でカーカリングは、落ち込みベンチで両手で顔を覆った。トレイ・ターナーが隣に座って肩を抱き、リアルミュートが寄り添い、言葉をかけて慰めた。