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世界一を奪回した侍ジャパン。MVPの大谷翔平が優勝トロフィーを掲げる(写真:AP/アフロ)
世界一を奪回した侍ジャパン。MVPの大谷翔平が優勝トロフィーを掲げる(写真:AP/アフロ)

「世界一」侍ジャパン戦士を待ち受ける“WBC後遺症”の壁…過去にあのイチローでさえ重圧影響の“胃潰瘍”で開幕カード欠場

 日本中に感動と興奮を呼んだ侍ジャパンのWBC優勝の余波は今なお収まらない。日本のプロ野球は26日でオープン戦が終了、いよいよ30日の日ハムー楽天戦からシーズンが開幕するが、注目は侍戦士の動向だ。国内のレギュラー組で復帰したのは巨人の岡本和真(26)ただ一人。今後はファームの試合などで調整すると考えられるが、これまでの大会を振り返ると“WBC後遺症”と言われる不振に陥った選手が少なくない。またメジャーリーグも30日(日本時間31日)に開幕、エンゼルスの大谷翔平(28)はアスレチックス戦の開幕マウンドに立つ。各チームの監督にとってもファンにとっても気が気でない部分だ。

山川、岡本、中野、大城らは“凱旋”即結果出す

 

 日米の侍戦士の復帰情報が続々と届けられている。
 二刀流でフル回転して大会MVPに選ばれた大谷は、決勝の米国戦での9回の抑え登板から中2日でマイナー相手に調整登板、パドレスのダルビッシュ有もまた中3日で開幕に向けての調整登板を終えた。大谷は日本時間31日のアスレチックスとの開幕戦に先発予定で、ダルビッシュは開幕第6戦以降に先発予定となっている。
 23日の夕刻にチャーター機で帰国した国内組では、25日のオープン戦から西武の山川穂高、巨人の大城卓三が復帰。山川は横浜DeNAのローテーション投手であるガゼルマンのカットボールを捉えてレフトへの復帰1号を放ち「打てて良かったです」とコメントした。
 レギュラー組の中では巨人の岡本がただ一人、オープン戦の最終戦となる26日の楽天戦に「4番三塁」でスタメン出場し、2回に先頭打者としてバニュエロスの147キロのストレートをレフト前に弾き返して先制点へとつなげた。また控え組では阪神の中野拓夢が「2番二塁」でスタメン出場し、4回無死一塁の場面でオリックスの山岡泰輔からレフト前へ流し打った。投手陣では、この阪神戦に追加招集で途中から参加した山崎颯一郎と宇田川優希が登板している。宇田川は打者一人だけのワンポイントで146キロのストレートで押し込み近本光司をレフトフライに打ち取った。
 早くも復帰した選手がいる一方で、レギュラー組のほとんど、特に投手陣には、疲労と日米間の移動による時差ボケなどが考慮されて休養が与えられた。今後は開幕までファームなどの試合で調整する方向で、1次ラウンドのチェコ戦、準決勝のメキシコ戦で先発した千葉ロッテの佐々木朗希は、本拠地開幕となる4月4日の日ハム戦で先発予定が組まれた。1次ラウンドの豪州戦で先発、メキシコ戦では、佐々木の次の第二先発を任されたオリックスの山本由伸も、4月6日のソフトバンク戦(京セラドーム大阪)で先発予定とされている。
 各所属チームに戻ってからの侍戦士の活躍にファンは注目しているが、その一方で懸念されているのが“WBC後遺症”だ。
 2013年のWBCで戦略コーチを務めた新潟アルビレックス監督の橋上秀樹氏も、こう警告した。
「これまでもWBCの後には必ず不振に陥る選手が出てきました。今回も心配なのは、その点ですね。疲労の蓄積や怪我などの身体的なコンディションの不良に加えて、極度の緊張感のある短期決戦を戦い終えたことによる燃え尽き症候群的な精神面での問題が理由です」

 

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