
「息子にヤマを手本にしろと…」カーショーが山本由伸の初完投を称えて衝撃“家庭事情”を暴露…マンシーは「スネルよりヨシが凄かった」と前日8回1安打の左腕より上と証言
ドジャースの山本由伸(27)が14日(日本時間15日)、敵地でのブリュワーズとのリーグ優勝決定シリーズの第2戦に先発して9回3安打7奪三振1失点で、5点の援護点ももらい、自身メジャー初、日本人としてポストシーズンで初となる完投勝利を成し遂げた。メジャーでのポストシーズンの完投は8年ぶり、ドジャースでは21年ぶりの快挙となり、マックス・マンシー(35)、クレイトン・カーショー(37)、ウィル・スミス(30)らチームメイトからの称賛が相次いだ。
スミス「一球一球の精度が凄かった。完全に支配していた」
象徴的なフィナーレだった。4点リードの9回のマウンドに上がった山本は、最後の打者、アンドリュー・ボーンに149キロの高速スプリットを3球続けて空振りの三振。右手で小さくガッツポーズを作り、捕手のスミスが駆け寄ってくるのを見てようやくニヤっと笑った。
前回登板の8日のフィリーズ戦では、スプリットを制御できずに苦労して、5回を投げ切れず3失点降板したが、この日は、そのスプリットを修正して多投した。そして、このボーンは、5失点KOされた7月7日の対戦時に3ランを浴びたブリュワーズの主力の一人だった。
メジャー移籍初の完投で、日本人投手ではポストシーズン初。メジャーでも、2017年のア・リーグ優勝決定シリーズ第2戦でアストロズのジャスティン・バーランダーがヤンキースに完投して以来8年ぶり、ドジャースでは、2004年の地区シリーズ第3戦のカージナルス戦でのホセ・リマ以来21年ぶりの快挙である。
「とにかく1イニングずつ集中してテンポよく投げられた。試合を最後まで終わらせられたので、そこの達成感はあった」(米サイト「ドジャーブルー」の試合後会見映像より)
1回に先頭打者ジャクソン・チョウリオへの低めに投じた初球のストレートを逆方向のライトスタンドへ運ばれたが、「まだ1人目でソロホームラン。そんなにメンタルにくることなく切り替えて投げることができた」と引きずらない。2回以降打たれたヒットはわずかに2本。二塁を踏ませず、8回が終わった時点での球数は97球で、ブルペンではアレックス・ベシアが準備を終えていた。
だが、ロバーツ監督は「打者ごとに様子を見ていたけど、球のキレが凄く良かった。ベシアを用意していたけど、山本を9回にもう一度いかせることに迷いはなかった」(前出サイトの映像より)と、続投を指令した。
前日はブレイク・スネルが103球を投げて8回1安打無失点。
ロバーツ監督が先発を引っ張る決断が2試合続いたが、「結局のところ、交代させるなら『次に投げる投手の方がより良い選択肢である』という必要がある。でも今の彼らはそうじゃない。彼らが一番信頼できる」と説明した。
新守護神の佐々木朗希も、前日にリリーフ7試合目にして初失点し、ブルペンに不安が残るチーム事情を考えると完投は究極の勝利パターン。山本も「9回に上がると決めた時は感覚は凄く良かったので自信を持って投げようと思った」と一人でゲームを終わらせる気満々だった。
5回一死から打者14人を連続アウト。111球中81球がストライクで、ブリュワーズ打線がボール球を振った割合は40%を超えた。
敵将のパット・マーフィー監督も「あれほど支配的な投手はなかなかいない。我々は今季一番“ボール球を振らない”チームだったのに今夜は今年で一番ボール球を振ってしまった。それだけ我々の悪い部分を引き出したということだ。本当に称賛すべき投球だった。キャッチャーのスミスも素晴らしかった。完璧に呼吸を合わせていた」(TSCニュースの映像より)と脱帽だった。