「誇らしい。ヤマの覚悟こそチームの姿勢の象徴だ」完投勝利から中1日で登板準備をしていた山本由伸の“男気”にサヨナラヒーローのフリーマン、カーショーらが感動
ロバーツ監督によると19回に突入した場合、72球を投げていたクラインに代えて山本の名前をコールしていたという。
山本の男気の話になり、思わず言葉を詰まらせたのは、今季限りの引退を表明しているレジェンドのカーショーだ。米「ドジャースネーション」によると、カーショーは「ヤマ(山本)は自分から“投げられる”と言ってきたんだよ」と言い、こう続けた。
「2日前に完投して、しかも大陸を横断して、朝4時に到着して、ほぼ1日休んだだけなのに“行ける”って…普通じゃない。でも、そういう覚悟こそがワールドシリーズを勝つために必要なものなんだ。このチームには、そうやって犠牲をいとわない選手がたくさんいる。本当に誇らしい」
カーショーも延長12回二死満塁の大ピンチに救援登板してネイサン・ルークスをセカンドゴロに打ち取る大仕事をやってのけていた。
米「ドジャーブルー」によると、勝利投手となったクラインは、「毎回戻るたびに“あと何回いける?”と聞かれて、“必要なだけ”と答えていた。フレディのホームランでその先を見ずに済んだ」と、胸をなでおろしていた。
「ヤマが中1日で9イニングを完投した翌々日にリリーフするなんて正気じゃない。でも、彼ならやってのけただろうね」
ポストシーズンでは24年ぶりとなる2試合連続完投を成し遂げた山本への信頼は厚い。
米「ドジャースネーション」によるとチームリーダーのムーキー・ベッツもその男気をこう称えた。
「彼のことは以前から高く評価しているし、ロッカールームの絆の深さを示す出来事だった。みんながチームのために全力を尽くす。キケ(ヘルナンデス)は(延長13回にバント用の)代打を送られても文句を言わずに応援していた。本当にチーム全体の努力だ。ヤマモトが登板しようとしたのも、その象徴だ」
山本の男気がチームの結束力を高めた。
今日28日(日本時間29日)の先発は、歴史的な18回の死闘で、2本塁打&2二塁打、4敬遠を含む5四球で9打席すべてに出塁した大谷。もしかすると、この勢いで3連勝して本拠地で連覇を決めてしまうのかもしれない。山本の次回登板は本拠地で決まらなかった場合の第6戦に予定されている。

