ロバーツ監督は本当に名将なのか…レジェンドが「彼の采配は未来を知っているかのようだ」と絶賛も大谷翔平の交代時期を見誤る采配に「なぜ監督を続けているか理解不能」の批判も
ドジャースがワールドシリーズ第7戦で延長11回の激闘の末、ブルージェイズに5-4で逆転勝ちして、4勝3敗で2年連続9度目の世界一に輝いた。デーブ・ロバーツ監督(53)は3度目の世界一でトミー・ラソーダ氏の球団記録を抜いた。MVP3度のアレックス・ロドリゲス氏(50)、殿堂入りのデレク・ジーター氏(51)、デビッド・オルティス氏(49)の2人が「殿堂入りさせるべきだ」などと称賛したが一方でSNS上では大谷翔平(31)の交代時期を誤ったとの非難の声も飛んだ。果たしてロバーツ監督は名将なのか。
ジーター氏「ロバーツ監督はすべての正しいボタンを押した」
ロジャースセンターの歓喜の輪の中にロバーツ監督がいた。
優勝セレモニーでは、興奮気味に「明日はパレードがある。ロサンゼルスの皆さんは休んでください」とジョークを飛ばし「山本はGOAT(史上最高だ!)」と、シリーズMVPの山本由伸の名前を繰り返し絶叫した。
米「ドジャーブルー」が伝えた試合後会見映像によると、ドジャースの伝説的な名将、トミー・ラソーダ監督の記録を抜き、単独2位となる3度目の優勝を果たしたことについて聞かれ「その記録を抜いたといわれても実感はない。心から嬉しい。私たちは何十年も成し遂げられなかったことをやり遂げた」と誇らしげに語った。
ロバーツ監督は目まぐるしく動いた。
大谷の中3日での先発を決断するも3回にボー・ビシェットに3ランを浴びて先制されると、ジャスティン・ロブレスキーに交代。4回も回跨ぎをさせると、二死一、二塁でブラディミール・ゲレーロJr.を迎えたところで、前日にわずか3球だったが9回のピンチにリリーフ起用した本来第7戦の先発予定だったタイラー・グラスノーにスイッチした。
踏ん張ったグラスノーに5、6回と任せ、7回からはエメ・シーハン。シーハンに回跨ぎさせた8回、アーニー・クレメントに二塁打を浴びると、第1戦、第5戦に先発したブレイク・スネルを投入した。
9回の土壇場に2試合連続で先発起用したミゲル・ロハスの一発で同点に追いつき、その裏、スネルが一死一、二塁のサヨナラ機を招くと前日に先発して6回96球を投げていた山本を「中0日」で起用。
山本はアレハンドロ・カークに死球を与えて一死満塁としたが、アディソン・バーショをセカンドゴロ。さらにクレメントには左中間へ大きな当たりを打たれたが、この回からロバーツ監督がトミー・エドマンに代えて守備固めで入れていたアンディ・パヘスがファインプレーで打球をグラブに収めた。
ついに11回に不振のムーキー・ベッツに代えて第5戦から2番起用していたウィル・スミスが勝ち越しアーチが飛び出し、その裏も山本に3イニング目を任せた。先頭のゲレーロJr.に二塁打を浴びるなど、一死一、三塁の同点機を背負うも最後はカークのバットをへし折って併殺打に打ち取り、ロバーツ監督は、2年続けて世界一の美酒を味わうことになった。
何から何までうまくいった。シーズン終盤、ポストシーズンとブルペン陣が崩壊し、継投策に失敗する機会が目立ったロバーツ監督だが、最後の最後に“神采配”を見せた。
FOXスポーツの特別番組に出演したAロッド氏、ジーター氏、ビッグパピことオルティス氏のレジェンド3人衆はロバーツ監督の手腕を称えた。
ヤンキースで時代を築いたジーター氏は「偉大な監督を作るものは何だと思う?」と出演者に問い、「それは選手を信頼する人だ。外の世界が信じなくても、彼は選手を信じる。彼はクラブハウスの空気を読み、選手たちがどう感じているかを理解している。誰よりも多くの情報を持っている。そして“ドク”(ロバーツ)がすることは選手たちが成功できるような状況に置くことなんだ」

