堤聖也が12.17両国で井上尚弥と2度戦った5階級制覇王者ドネアとWBA統一戦…「負けるわけにはいかない」…先に見据える天心ー拓真の勝者、井岡一翔とのビッグマッチ
堤は、天心―拓真のビッグファイトの勝者は「拓真」と予想している。このWBAのベルトは昨年10月にアマ時代から因縁のある拓真から判定勝利で奪ったもの。
「私情が入り、願望でもあるが、ボクシングの幅がまだ違うと言っている。まだの範囲。那須川選手の尋常ではない成長スピード、センスの塊は見てわかる。でも(拓真は)人生をかけて追いかけてきた存在。だからずっと強くあって欲しいという気持ちがある」
井岡にもまた違った思い入れがある。
「最近はスパーリングもさせてもらっているが(井岡は)人としてカッコいい、人間としての憧れ、カッコいいと思う人。その人と大きい舞台で、もし戦えるならワクワクする」
井岡はすでにバンタム級でWBC5位、WBA9位、IBF11位にランキングされており、大晦日に大田区総合体育館でバンタム級のテストマッチを行う予定。堤がU-NEXT、井岡がABEMAで試合を行っているため、そこは障害になるが、堤対井岡も実現すればファンにとっては魅力的なカードだ。
会見で堤は「今のドネアに負けることは許されない」とも言った。
堤は目の手術で休養王者になったが、堂々たる正規王者。一方のドネアは、2年のブランクを経て、いきなり5位にランキングされ、しかも、8位の相手と暫定世界戦を戦いベルトを巻いたことで世界的に批判の声もあがった。その正規王者の誇りがそう言わせたのか?と思ったが、本人の発言の意図は違っていた。
「これをクリアすることで、どんどん面白い人生が待っている。絶対に叶えていきたいが、ここでこけたら何もなくなる怖さがある。まだまだボクシングをしていたいし、もっと強くなりたい。ボクシングで稼いでいきたいし、まだまだボクシングにやり残していることがたくさんある。ほんとに勝ちたい、そういう思い」
人生のすべてをかけたドネア戦へ。
すでに世界挑戦経験者の桑原拓(大橋)、渋谷亮太(T&T)らとスパーリングを開始している。ジムとしてドネアとの親交がある横浜光の内構拳斗と、スパーした際に、ファウルカップに「閃光」との刺繍があった。それがドネアからプレゼントされたものでフィリピン人のセコンドがついていたため「(情報が洩れるかもと)怖かった」という。
堤はパソコンの画面を通じて、ドネアと「互いにベストの状態でリングに上がろう」と健闘を誓いあった。すでに戦いは始まっている。

