「なぜ巨人は桑田真澄を退団させたんだ?不思議でならない」重鎮OBが巨人のコーチ人事にモノ言い…「むしろヘッドにすべきだった」
球団は、その狙いを「1年を通じ、1軍から3軍までの担当分野における指導・育成方針を統一し、各分野の技量・能力の向上や育成の進捗状況などを一元的に集約すること」と説明している。
この体制は、横浜DeNAが導入しているスタイルと同じだ。
だが、広岡氏は、「ヘッドコーチを置かないのは、キャッチャー出身の阿部が自分が一番野球を知っていると勘違いしているからではないか。継投は、阿部がやればいいが、桑田をヘッドにして大命題のひとつである投手の育成を任せるべきだったと思う。フロントも阿部にモノ申すことができていないのではないか。吉村の肩書きを変えたりしているが、なんの意味もない。フロントも勉強すべきだ」と、ぶった斬った。
球団はフロント改革にも着手した。
編成本部長、国際担当兼国際部長だった吉村禎章氏をCBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)、チーム運営担当という新ポジションにつけ、水野雄仁氏を編成本部長、スカウト・国際担当に昇格させた。球団は「吉村CBOは、チームの強化に不可欠な世代交代を図るにあたって若手選手が殻を破るためのメンタルサポート強化、データ利活用、フィジカル強化など、編成本部のチーム運営部門のトップとして現場のコーチングスタッフと共に、選手の育成・養成の総責任者となります。また後任の編成本部長には、水野雄仁・編成本部長代理 スカウト担当を充て、編成本部長 スカウト・国際担当とすることで、国際部門(外国人スカウト)も合わせたチーム編成のトップとして、アマスカウト、プロスカウト(トレード+FA)、外国人選手獲得の権限を一本化しました。チーム編成部門の責任と権限を集約することで、スピーディーな意思決定と、より機動的で積極的なチーム編成を図るのが目的」とフロント人事の狙いを説明している。
だが、広岡氏は、「メジャーから入る譲渡金が目当てのひとつだったのかもしれないが、岡本のポスティングの容認や、くだらないFA補強も含めて、フロントのやることなすことすべてうまくいっていない。泉口や中山などの若手野手も育ってきている。フロントがビジョンを明確にしてチームを作らねばならない。新庄日ハムのやり方を見習えばいい」と、4年かけて、ドン底のチームを立て直した日ハムを例に出して苦言を呈した。岡本が抜ける4番問題、そして流出危機にあるグリフィンのローテー枠の問題など、巨人が今オフに解決しなければならない問題は山積みとなっている。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)

