トライアウトで「ワンポイントで使える」とアピールに成功した人と「成長を感じない」と失敗した人は誰だ?…元ヤクルト編成部長がNPB復帰可能性のある「4プラス2」を緊急チェック!
他には通算173ホールドの元ソフトバンク又吉克樹(34)が得意の動くボールで松原を内野ゴロに打ち取り「最速140キロでスピード不足は感じたが、ソフトバンクだから出場できないというチーム事情もあったのだろう。年齢のハンデはあるけれど、右のワンポイントで生き残れないか」とチェックした。
今回のトライアウトで最速の156キロを叩きだした元阪神、オリックスの小野は、ストレートがすべて150キロを超え存在感を示した。松井氏は「外へ引っかかっていたボールがしっかりと指にかかるようになれば通用する。ただ安定感に欠くことと、年齢的な面もあり、オリックスもこれ以上、待てなかったのかも。もったいない」との感想を抱いた。
森木と共に「高校ビッグ3」の一人で2021年のドラフト1位の風間球打は、まだ21歳。韮沢を二ゴロ、野口をストレートで内野ゴロに抑えたが、最速は143キロでスピードは上がらず「力任せのスタイルに変化が見られなかった」と厳しい評価。
ただ一人のアンダースローだった元ソフトバンク、巨人の高橋礼(29)も松山に129キロのストレートをセンター前へ運ばれており「本格派から脱しきれていない。ストレートが140キロを超えてくれば、今それでいいが、今回の最速は131キロ。技巧派へ転身する姿を見せねば厳しいかも」と、再契約の可能性は低いとの見立てだった。
一方で野手の参加は10人と少なく「目についた選手はいなかった」との評価。西武の“おかわり君二世”として期待されていた2000年ドラフト1位の渡部は、第1打席にいきなり2019年の日ハムのクローザーだった石川直也(29)のカウント2-2からの146キロの甘いストレートをレフトスタンドの看板にまで運び長打力をアピールした。
松井氏は「“当たれば飛ぶ”は、どの球団の編成も織り込み済み。大城の変化球で三振するなど、ずっと課題だった対応力に成長が感じられなかった」と手厳しかった。
松原も実績のある外野手。
「身体能力は素晴らしいが、打撃に嫌らしさがない。大きなのは打てるがそれはあくまでもプラスアルファというスタイルでこそ彼に出番がある。その部分で西武に見切りをつけられたのかも」との評価に留めた。
「40歳という年齢が壁になるがチーム事情で左の代打が欲しいところには面白い存在」としたのは松山だ。地元のファンの声援を背に3安打を放ち、今なお健在の職人技をアピールした。
「ローボールヒッターで高めとインサイドへの対応が年々弱くなっていた。そこを注意して見ていたが、克服しているとは感じなかった。その点をどう判断されるかだろう」
合格率5%という狭き門のトライアウト。果たして38人のうち何人が再挑戦の機会を手にするのだろうか。

