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元広島の松山竜平と元ソフトバンクの又吉克樹の投打の最年長コンビがアピールしたかったものとは?
元広島の松山竜平と元ソフトバンクの又吉克樹の投打の最年長コンビがアピールしたかったものとは?

「野球人生を終えた時に戦力外通告が通過点だったと言えるように」40歳の元広島松山竜平と35歳の元ソフトバンク又吉克樹の最年長コンビがトライアウト挑戦で伝えたかったものとは?

 12年前だ。怪我で急きょ不参加となった巨人のマレク・フルプ外野手(26、チェコ)の代わりに所属選手が打席に立つなど、今回のトライアウトを支援した東広島市の社会人チーム、伯和ビクトリーズの入団テストを受けるも不合格になっていたからだ。
 午後のセッションでマウンドに立った又吉が、最初に対峙したのがくしくも伯和の選手だった。環太平洋大学から四国アイランドリーグの香川オリーブガイナーズへ入団した2013年を思い出しながら、又吉は思わず苦笑いを浮かべた。
「ここ(伯和)でダメだったから独立リーグに行ったので。これも縁かな、と」
 お馴染みのサイドから投げ込む139kmの内角直球で、伯和の選手を詰まった三塁フライに打ち取った直後。中村健人外野手(28、広島)へ投じたシュートが死球になった。続く松原聖弥外野手(30、西武)を134kmのカットボールで二塁ゴロに打ち取り、戻ったベンチで中村に死球を謝罪した。
「そうしたら『思った以上に曲がってきて、避けきれませんでした』と言われて。それだけ打者の手元で曲がっているんだ、と。その意味でも死球に関して『もったいなかった』という思いはないですね。自分が得意としているシュートを投げていく上で、甘く入って打たれるくらいだったら、という野球人生を過ごしてきたので。自分の中でアドレナリンが多く出過ぎて、思ったよりシュートが曲がったのもありますけど」
 2013年のドラフト2位で中日に入団。中継ぎやセットアッパーとして大活躍し、2021年オフには独立リーグ出身選手ではNPB史上で初めてFA権を行使してソフトバンクへ移籍。昨季まで両球団で通算503試合に登板し、173ホールド、防御率2.84などの数字を残した又吉が先発したのは中日時代の11度だけだった。
 今季は一転して一軍登板の機会はなく、ソフトバンクは9月30日に又吉と来季の契約を結ばないと発表した。来季の構想外になった時点ですでにトライアウトを経ての現役続行を決めて、準備を進めてきたと又吉が言う。

 

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