【独占】横浜DeNA三浦監督の采配力は25年ぶりの優勝を導くのか…「100%データではない。信じたことを貫きたい」
いよいよ今日30日にプロ野球が開幕。セ・リーグは明日31日からの開幕になるが、優勝候補として下馬評が高いのが昨年2位の横浜DeNAだ。サイヤング投手の超大物のトレバー・バウアー(32)を獲得して“セ界”に衝撃を与えたが、優勝のカギを握るのは就任3年目の三浦大輔監督(49)の采配力だろう。データなのか。感性なのか。独占インタビューで三浦監督の追い求める采配論を聞いた。
三浦監督に聞きたいことがあった。
レギュラーシーズン3位の阪神を本拠地ハマスタに迎えた昨年のクライマックスシリーズファーストステージの第3戦。2-3で迎えた9回に一死満塁の逆転サヨナラ機をつかみ、三浦監督は、代打に40歳のベテラン藤田一也というカードを切った。だが、二ゴロ併殺打に終わりゲームセット。横浜DeNAのファイナルステージ進出の夢は絶たれた。その人選について時間を経て改めて、どう思うかを質問した。
――代打藤田に後悔はしていますか?
「まったくないですね」
三浦監督の返答に迷いはなかった。
藤田は湯浅京己が投じた初球の152キロを示したど真ん中のストレートに差し込まれた。打球は、前進守備のセカンド小幡竜平の正面。本塁封殺から、キャッチャー梅野隆太郎が一塁へ送り悪夢のゲッツーが成立したのである。この代打の人選については議論が起きた。
湯浅が軸とするストレートに強く、対阪神に打率.424を誇り、8月9日の阪神戦ではサヨナラヒットをマークしている“虎キラー”の大田泰示ではなかったか?の意見が飛び交い、SNSで議論が沸騰したのである。
「議論はあったみたいですね。でも結局、結果論でしょう。藤田が打っていたら何も言われないし、代打泰示(大田)でも同じ結果だったかもしれないし、打ったかもしれない。でも、野球ファンの議論になって盛り上がるのも野球の魅力のひとつじゃないですか。だから後悔はないです」
この2年で三浦監督の采配も様変わりした。
「1年目は、こうしたらこう、と、色々考えて采配したが、思う通りにいかず、想像と現実のギャップをもろに突きつけられました。采配については、コーチに“これでどうか?”とか、自分から話をするし、コーチからも色々な意見を出してもらって最終決断します。こういうコーチからの意見は多ければ多いほどいいんです。でも、1年目は、意見を多く出されると迷ったんです。今も迷うことがありますが(笑)」
1年目は、データやコーチの具申を持て余した。
昨年は、キャンプから盗塁、進塁打など、これまでのイケイケどんどんの選手任せの横浜DeNAのスタイルから不得意としていた機動力やチームバッティングを絡めた細かい野球に積極的に取り組んだ。
三浦監督の采配も、スモールベースボールを意識したものに変わり、チームの盗塁数はリーグワーストの31から49へ増え、犠打数も81から102へ増えた。
「1年目の課題と反省をもとに、昨年はチーム全体で取り組む課題を選手に伝えたのだから、それに沿ったサインの出し方をしました。強引に出した場面もあったが、全員で取り組んでいこうと」