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ドジャースの山本由伸のサイヤング賞獲得はならなかった(写真:Imagn/ロイター/アフロ)
ドジャースの山本由伸のサイヤング賞獲得はならなかった(写真:Imagn/ロイター/アフロ)

「この結果は“意外だった”と驚くべきものではない」なぜドジャースの絶対エース山本由伸はサイ・ヤング賞投票で「1位票、2位票ゼロ」の3位に終わったのか?

メジャーリーグの今季の最も優秀な投手に与えられるサイ・ヤング賞の発表が12日(13日)行われ、ナ・リーグは満票でパイレーツのポール・スキーンズ(23)が満票の210ポイントで初受賞、3人の最終候補に残っていたドジャースの山本由伸(27)は72ポイントで3位に終わった。ワールドシリーズMVPに輝いた世界一右腕はなぜサイヤング賞を獲得できなかったのか。なおア・リーグはタイガースの左腕のタリク・スクバル(28)が2年連続2度目の受賞を果たした。

 防御率では2位のサンチェスを上回るも「28回1/3差」が響く?

 スキーンズの初受賞は予想通りの結果だったとはいえ、ドジャースファンにとっては防御率では山本を下回るフィリーズのクリストファー・サンチェスに敗れことが「意外」だったのかもしれない。
 ドジャース専門サイトの「ドジャーブルー」はXにて「ナ・リーグのサイ・ヤング賞を満票で受賞し、山本由伸はファイナリスト初出場ながら遠く及ばず3位に終わった」と速報で伝えた。
 サイ・ヤング賞は全米野球記者協会(BBWAA)所属の会員による投票(各リーグ30人)によって決まりレギュラーシーズンの成績が対象となる。

 各記者は1位から5位までを投票し、1位票に7、2位票に4、3位票に3、4位票に2、5位票に1とポイント換算して決定され、今回スキーンズは30人がすべて1位票の満票の210ポイントで初受賞。サンチェスが2位票を30人から獲得して120ポイントで2位、山本は1、2位票はなく、3位票が16人、4位票11人、5位票2人の72ポイントで3位だった。

 MLB公式サイトによると、サイ・ヤング賞や、大谷翔平が有力候補のMVP投票は、レギュラーシーズン終了後にポストシーズンが始まる前に行われる。同サイトは「したがって山本がチームの2年連続優勝に貢献し、ワールドシリーズMVPを受賞した、あの驚異的なポストシーズンでの活躍は、サイ・ヤング賞の投票対象には含まれていなかった。そうした事情を踏まえれば、この結果は意外だったというものではない」と、今回の投票結果を総括した。
 
 昨年の新人王のスキーンズは、今季32試合、187回2/3を投げ、10勝10敗と貯金は作れなかったが、防御率は両リーグトップの1.97で216奪三振、守備や打球運を排除した防御率FIPも2.36でトップだった。

 一方の山本の今季のレギュラーシーズンの成績は、30試合、173回2/3を投げ、12勝8敗、防御率はスキーンズに次ぐリーグ2位の2.49で201奪三振、FIPは2.94。勝ち負けは、打線の影響を受けるため、山本がインパクトを残したプレーオフ前の投票だとすれば、スキーンズの満票は当然の結果。新人王とサイ・ヤング賞の両方を最初の2シーズン以内で受賞した投手は、ドワイト・グッデン、フェルナンド・バレンズエラに続き、史上3人目の快挙となった。

 
 では2位のサンチャスと山本は何がどう違ったのだろうか。
 サンチェスの今季成績は、サンチェスは32試合、202回を投げて13勝5敗、防御率は山本に次ぐ3位の2.50で、212奪三振、FIPは2.55。投球回、奪三振、FIPなどで山本を上回っている。

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