こんなことってある?!12.17両国で桑原拓が緊急“代役”WBO世界戦決定…相手は中谷潤人“親友”最強王者だが大橋会長は「こういう流れの時は獲れる」と直感働かす
ただ対戦相手のオラスクアガはフライ級で統一王者となってもおかしくない強敵だ。ロスでは、元WBC&IBF世界バンタム級王者の中谷潤人(M.T)のジムメイトで“親友”。2年前にWBC&WBA世界ライトフライ級王者時代の寺地拳四朗(BMB)に挑戦して9回TKOで敗れたが、昨年7月にWBO世界フライ級王座決定戦で同級2位の加納陸(大成)を3回に沈めてベルトを奪うと、今年3月には京口紘人(ワタナベ)に判定勝利、9月11日の前戦ではファン・カルロス・カマチョ・ジュニア(プエルトリコ)を2回で倒している。とにかく強打でフィニッシュ力がある。
桑原の勝利予想を立てるのは難しい相手だ。
だが、桑原は「相性が良さそうで必ず盛り上がる試合になる」と、オラスクアガ戦を熱望していて、これまでも大橋会長にその思いを伝えていたという。
「それが言霊になりました」
名伯楽の大橋会長にも「こういう時の流れって獲れるんだよ」との直感がある。
「強いがゆえに隙というか弱点がある。そこを突けばいい」
担当の松本好二トレーナーも「厳しい場面は出てくると思うが、それを想定して調整したい。強い相手だが隙はある」と見ている。
桑原も厳しい戦いは覚悟している。
「下馬評では不利予想でしょう。そういう相手に勝ってこそ価値があります。下克上。評判をひっくり返す気持ちがあります。不安はない。むしろ僕みたいなタイプが一番やり辛いと思うんです」
桑原の言う「僕みたいなタイプ」とは、得意のスピードを生かしたアウトボクシングだ。オラスクアガのような強打タイプがペースをつかめずに空回りしてしまうのもボクシングあるあるのひとつ。
右構えと左構えの違いはあるが、テレンス・クロフォード(米国)はそのボクシングで階級が上のスーパーミドル級の4団体統一王者、サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)を封じ込んでいる。
「オラスクアガはバランスが良く好戦的で攻撃力があります。一発一発に一撃の力がある。そこに気をつけて展開していきたい。最新の試合でも、前半KOしています。前半に集中してボクシングしていきたい。遠い距離で上回りたいが、下がってしまうと向こうが気持ちよくなって前へ出てくる。そこは想定している。スピード、テクニック、パワー面でも負けない自信があります」

