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  • こんなことってある?!12.17両国で桑原拓が緊急“代役”WBO世界戦決定…相手は中谷潤人“親友”最強王者だが大橋会長は「こういう流れの時は獲れる」と直感働かす
代役での緊急世界挑戦が決まった桑原拓(中)。大橋会長、松本トレーナーが奪取に期待を寄せる
代役での緊急世界挑戦が決まった桑原拓(中)。大橋会長、松本トレーナーが奪取に期待を寄せる

こんなことってある?!12.17両国で桑原拓が緊急“代役”WBO世界戦決定…相手は中谷潤人“親友”最強王者だが大橋会長は「こういう流れの時は獲れる」と直感働かす

 桑原の自信の根拠はユーリ戦の敗戦以降の取り組みにある。
「あの試合の反省から、怪我もあってボクシングと向き合う時間が長くあり、ボクシングの幅が広がり、引き出しが増えました」
 ユーリー戦では前に出れず手数も少なかった。実は、その1か月前にアバラを痛め、満足にスパーリングを消化できなかった。コンディション作りに失敗した悔いもある。
 「一年前とは気持ちも覚悟も違います」
 たった独りで他ジムを回る出稽古を行ってきた。井上尚弥が9月のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)戦前に帝拳への出稽古を敢行するなどした行動にも刺激された。
「環境を変えたかった。本当は海外修行もお願いしていたんです。アウェーとホームでは気持ちが全然違います」
 大阪まで遠征して六島ジムや石田ジムを回り、東京では、同じ95年生まれのWBA世界バンタム級王者、堤聖也(角海老宝石)ともすでに2度、計12ラウンドのスパーをした。
「圧力のかけ方、パンチ、ナックルの当て方などを肌で世界を感じました」
 武者修行で得た自信が桑原を「不安はない」と雄弁にさせた。
 その堤が当日の同じ興行のメインで5階級制覇王者の“レジェンド”ノニト・ドネア(フィリピン)とWBAの統一戦を行い、桑原が敗れた後に、拳四朗との統一戦に敗れた同じく95年生まれのユーリもアンダーカードで再起戦を行うことも発表された。
 95年生まれの世界王者は、他に元4階級制覇で引退した田中恒成(畑中)、山中竜也(真正)、比嘉大吾(志成)、岩田翔吉(帝拳※同学年)、そして24日に那須川天心(帝拳)とのWBC世界バンタム級王座決定戦のビッグマッチを控えるジムメイトの井上拓真ら7人もいる。
「悔しく、置いていかれる気持ちが強かった。世界チャンプになってみんなに肩を並べなければならない使命感があります」
 様々な思いを拳に乗せて桑原が最強王者に挑む。そして、この偶然にも巡ってきた世界戦がラストチャンスになるかもしれない。
 4階級制覇王者、井岡一翔(志成)と同じ、興国ー東京農大のルートを経て2018年5月にプロデビューした桑原のプロ戦績は16戦14勝(9KO)2敗。その黒星はいずれもユーリにつけられたものである。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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