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残留大ピンチの角田裕毅に残されたチャンスは明日開幕のラスベガスGPを含めて残り2レースだ(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
残留大ピンチの角田裕毅に残されたチャンスは明日開幕のラスベガスGPを含めて残り2レースだ(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「去就の露骨なヒント」角田裕毅の残留争い“ライバル”ハジャーを“重鎮”が「セナ並み」と“ベタ褒め”発言…ラスベガスGPに向け角田は「(低)気温が課題。解決策を試す必要が」と戸惑い隠さず

 F1の第22戦ラスベガスGPが明日21日に開幕するが、レッドブルの角田裕毅(25)にとって去就決定まで2レースしか残されておらずここが大勝負のレースとなる。そのタイミングでチームのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコ氏(82)が角田に代わっての昇格が有力視されている姉妹チーム、レーシングブルズのアイザック・ハジャー(21)が将来チャンピオンになれる逸材で“レジェンド”アイルトン・セナ並みの対応能力があると絶賛。英メディアは、この発言を「昇格の露骨なヒント」と捉えた。また角田は、ラスベガスの市街地&低気温のレースに「気温が課題。様々な解決策を試す必要がある」と戸惑いを隠さなかった。

 「ハジャーは3周も走れば他のドライバーと互角に戦う速さを見せる」

 レッドブルが来季の布陣、つまり角田の去就を発表するまで明日開幕のラスベガスGPと翌週のカタールGPの2レースしかなくなった。
 本来なら10月下旬に決定する予定が延期となり、猶予をもらった角田だったが、逆転での残留を決めるためにはここが最後の正念場。姉妹チーム、レーシングブルズへの復帰の行方さえ決める重要なレースとなる。
 だが、そのタイミングでレッドブルの重鎮幹部であるマルコ氏が、角田にしてみれば、嫌な注目発言を行った、F1公式ポッドキャスト「ビヨンド・ザ・グリッド」に出演して、角田に代わって、来季のレッドブル昇格が有力視されているレーシングブルズのスーパールーキー、ハジャーをベタ褒めしたのだ。
「ハジャーはチャンピオンになれる資質を持っていると思うか?」の質問に「YES」と即答。そしてその根拠をこうまくしたてた。
「簡単な例を挙げると、彼は初めて走るサーキットでも、3周もすればすぐに他のドライバーと互角に戦える速さを見せるんだ」
 さらにその対応力を2人のレジェンドと比べてこう絶賛した。
「私はマイケル・シューマッハやアイルトン・セナの走りにずっと注目してきたが、彼らも同じだった。15周や何回ものテストをする必要はない。サーキットに来てパッと走って、すぐに結果を出せるんだ」
 ハジャーは今季9度入賞を果たして、8月のオランダGPでは3位に食い込み初めて表彰台にあがった。獲得ポイントは「43」でドライバーズ選手権では、現在10位につけている。
 一方の角田は、4月の日本GPからレッドブルに昇格し、ここまで入賞は6度で最高位はアゼルバイジャンGPでの6位。獲得ポイントは「28」に留まり、ドライバーズ選手権の順位は17位とハジャーに引き離されている。
 このマルコ氏の発言を受けて、英専門メディア「ザ・レース」は、その“意味”をこう読み解いた。
「ハジャーのレッドブル昇格は最終決定が延期されたにもかかわらず、数か月前からほぼ既定路線と見られていた。そんな中でマルコ氏がハジャーをF1史上最高のチャンピオン2人と比較した発言は、私たちが予想している結果に向けた露骨なヒントのように感じられる。リアム・ローソンは、すでに好成績を残せず、角田もレッドブルの決定が遅れた期間中にチャンスを大きく伸ばすことができず、前回のブラジルGPでは最下位に終わった。そうした状況からも、ハジャーは2026年のレッドブルの第2シートに座る最有力候補であることは間違いない」
 角田にとって厳しい見立てだ。

 

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