いよいよ明後日に那須川天心VS井上拓真がゴング!ファン予想とブックメーカーオッズの「天心支持」は信用できるのか…WBC公開採点ルールは拓真有利の声も
帝拳OBで、元OPBF東洋太平洋ライト級王者で、あの元3階級制覇王者のビッグネーム、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)とラスベガスで戦った男として知られる中谷正義氏(現在・大阪吹田市で中谷ボクシングフィットネスクラブを経営)の勝敗予想は「天心有利」だが、「公開採点については拓真が有利」との見解を示した。
「終わってみてポイントを取っていたはずなのに負けたというのが最悪のパターン。リアルタイムで採点を追えるのは、拓真陣営にしてみれば、その最悪のパターンを回避できる。試合途中での戦略の立て方も明確になると思う。僕も序盤の攻防が勝敗を分けると考えているが、4回が終わった時点で拓真が負けていれば、ハッキリと戦いが変わるでしょう。それでも天心がアウトボクシングで逃げ切れると見ているが、もし拓真のプレスがあまりにも激しく打ち合いに応じれば、展開が動く変わる可能性もある」
天心は拓真とのキャリアの差がネガティブ要素だとされている。
キックから転向してきた天心は、これがプロ8戦目、拓真は、12年、22戦を戦っている元WBA王者で、暫定だが、WBC王座も獲得している。WBAの初防衛戦では、IBF世界スーパーフライ級王座を9度防衛している”本物の強豪”のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)を9回KOで仕留めた。
だが、天心は周囲が驚くほどの成長スピードを「カクカクしたものがマルになった。水みたいにつかめない。それこそ幽霊。スーパーゴースト神風アタック」と、独特の言い回しで表現し、キャリア不足説に真っ向異議を唱えた。
「(キャリアの)差は気にしない。あってないようなもの。何年もやってきたより、そこにかけてきた時間、熱量。時間的には2年半かもしれないが、100年くらいやっている感じ」
バランスがよくなった影響か、ドジャースの山本由伸の中0日登板を可能にした柔道整復師でトレーナーの矢田修氏の指導の成果なのか。メキシコ、プエルトリコからタイプの違うパートナーを5人も呼び、激しいスパーを繰り返してきたが、練習後のケアやマッサージが一度も必要ないほどの体調をキープ。減量も残り1.3キロと順調だ。
「心技体と言うが、僕は心気体と思っている。それが集まった時に技になる。次元を超えた、超次元ボクシングでありたい。シン・ボクシングです」
さらにこうも熱弁していた。
「勝てば時代を変えることができる」
一方の拓真の武器のひとつが歴戦のキャリアだ。
「天心選手のスピードと勘がいいところを警戒しながら総合力で上回っていきたい」
そして「時代を変える」という天心の発言にこう対抗した。
「自分も盛り上がるカードをやりたいと思っていた。申し分のない相手。ここをしっかりと勝って、世間をあっと言わせたい。時代が進むというよりも、井上拓真が戻ってきたという感じですかね」
勝ち名乗りを受けるのは、天心か、拓真か。23日の前日計量を経ていよいよ2日後に運命のゴングである。

