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天心は計量後にポーズをとる(写真・山口裕朗)
天心は計量後にポーズをとる(写真・山口裕朗)

「拓真選手のパンチは当たらない。倒しにいくから大勝負に強い」那須川天心“パパ”が井上拓真との世界戦KO決着を予言…WBC特別贈呈の「サムライベルト」を「僕のためのベルト」と豪語

 なぜ天心は大舞台で強いのか。
 弘幸氏は、その理由をこう証言した。
「倒しにいくからだと思うんです。そこでアドレナリンがばっと出て集中力が増す。天心のいいところは、対応力、特にディフェンスでの対応の速さです。私はまずディフェンスから教えてきました。3ラウンドルールのキックでは、なおのことその対応の速さを求められるんですが、天心は、一発パンチを見ると、もう当たらない。すると、相手は、当てようとして力み、バランスが崩れてきます。すると天心のカウンターの餌食です。そのKOのサイクルが、大勝負になればなるほど、集中力を増して出てくるんです。武尊戦の1ラウンド目のダウンがその典型でした。本当はあの試合はハイキックでフィニッシュにもっていく作戦だったんですけどね」
 今回の拓真戦は判定決着になると見られている。
 英ブックメーカー「ウィリアムヒル」のオッズは、天心勝利1.25倍、拓真勝利3.75倍となっているが、拓真のキャリアと総合力より、天心のスピードとセンス、進化の度合いが評価されたのだろう。リーチの長さ、サウスポーの利点を生かしたヒット&アウェーのボクシングを徹底してポイントアウトをしていくのではないか、との見立てだ。だが、天心自身は、会見で「どの局面でもどの展開になろうともいい状況にもってきた。ポイント(決着)になるのか、すぐ終わる(KO)のかわからない。最初からペースを取らないとボクシングは勝てない。でもポイントを取ったからといって逃げ切るとは思っていない。強い人からベルトを獲りたい。それだけ。最初から最後までクライマックスでいきたい」とコメントしてた。
 2戦前の元WBO世界バンタム級王者、ジェイソン・モロニー(豪州)戦では、傷を負いながらも魂の打ち合いをした。やはり「倒す」という闘争心は隠せない。
 弘幸氏は「大勝負だからこそ今回も倒しにいくし倒せます」と見ているのだ。天心がプロ8戦目の初の世界戦で大化けする可能性がある。
 今回の王座決定戦の注目度が、あまりにも高いため、勝者にはWBCが、特別にデザインされた「サムライベルト」を贈呈することが、来日中のマウリシオ・スライマン会長から発表された。通常のベルトよりひと回り大きなスペシャルなベルトだ。
 天心はそれを見て思わず目を輝かせた。
「かっこいい。日本といえば、サムライ。武士道魂が好きだし、僕のためのベルト。凄く嬉しい。まんなかに甲冑がついていたりしてね。欲しいですよ」
 その思い込みが天心らしい。そして、それも含めてすべてが天心の思い描いたストーリーなのかもしれない。
「時代を変えたい」
 このビッグマッチをす定義していた天心は「ジャスト・ドウ・イット(ただやるだけ)」とどこかのスポーツメーカーのキャッチフレーズを口にして計量場を後にした。Amazonプライムビデオで独占ライブ配信される運命のゴングは午後20時42分頃が予定されており、アンダーカードの進行次第で早まるという。

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