「5階級制覇を阻止したい」天心を破ったWBC王者の井上拓真vs井岡一翔のビッグマッチが急浮上…大晦日バンタム転級戦の井岡の配信会社がABEMAからLeminoに“電撃鞍替え”で実現可能に
しかも、2012年6月には当時WBC世界ミニマム級王者だった井岡とWBA世界同級王者だった八重樫東が統一戦を戦い、僅差の0-3判定で八重樫が敗れたという因縁がある。八重樫は現在大橋ジムのトレーナーだ。
さらに拓真vs井岡戦の実現の可能性を高める新事実も判明した。
地上波のTBSが2022年の大晦日を最後にボクシング中継から撤退して以降、井岡の世界戦は、ABEMAがライブ配信してきたが、今年の大晦日のバンタム級への転級初戦から大橋ジムが提携しているNTTドコモのLeminoに鞍替えすることになったのだ。井岡が、ABEMAのままであれば、拓真VS井岡の実現は難しかっただろう。だが、井岡がLeminoに“電撃移籍”することで、その障害はなくなった。おそらくLeminoサイドとしても話題性抜群の拓真vs井岡戦を大喜びでプッシュする。来年5月に東京ドームで予定されている尚弥vs中谷のスーパーマッチのダブル世界戦としても、ふさわしいカードだろう。
現在、井岡はWBCバンタム級5位にランキングされている。井岡の大晦日のバンタム級への転級初戦は、他団体の挑戦者決定戦になる方向で調整されているようだが、拓真への挑戦が実現可能であれば、魅力的な選択肢になることは間違いない。
拓真も井岡戦について聞かれ声のトーンをあげた。
「それはモチベ―ションとしては、むちゃくちゃ上がる。気持ちとして、盛り上がるカードはやっていきたい。その時がくればやりたい」
天心戦で拓真が「ここまで最後まで全部のラウンドを集中して戦えたのは初めて」と振り返るほどの覚醒した姿を示すことができたのは、天心という最高のモチベーションを保てる好敵手がいたからだ。
今後そのモチベーションをどう維持するのかが問題になるが、拓真は、こう言った。
「これを続けていかなくちゃいけない。堤戦の同じ過ちを繰り返さない。それを続けているのが(兄の)尚。本当に凄いなと感じる。モチベーションも必要だけどもうモチベーション関係なくやることができる。考え方が変わった。相手が誰であれ強い拓真を作りあげるだけ」
そう覚悟を決めたWBC王者は一体誰と戦うのだろうか。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

