「正直、誰とやりたいかと言えば(井上)拓真選手」大晦日に井岡一翔が5階級制覇へ向けてWBA世界バンタム級挑戦者決定戦…その先に狙うは天心に勝った拓真「評価的に一番高い」
――WBAは12月17日に正規王者の堤聖也(角海老宝石)と5階級制覇王者で暫定王者のノニト・ドネア(フィリピン)が団体内統一戦を行い、24日には、井上拓真が那須川天心を判定で下してWBC世界同級王者となりました。その中でどう存在感を?
「今はバンタム級で日本人選手が多く活躍していてその中で自分がバンタム級に上げることで、より盛り上がって自分がチャンピオンに返り咲いて5階級制覇をするという思いで上げたので、まず大晦日に勝ってそういう試合を実現させたいと思っています」
――WBAの挑戦者決定戦です。堤vsドネア戦はどうなると予想していますか。
「堤選手が勝つと思っています。ドネア選手の最近の試合は見ていないんですが、キャリアだったり上手さという部分はあると思うんです。しかし、ドネア選手は瞬発性のパワーが衰えちゃうと自分のボクシングを作れないと思うんですよ。 ああいうタイプの選手は。 それがどうしても年齢とともに脅威でなくなると対戦相手は多分、戦いやすい、入りやすい、潰しやすい。 堤選手の展開で言うと自分の距離感に持っていきやすいんじゃないかなと思うんです。でもそう言ってもドネア選手にパンチがないこともないとも思います。キャリアも今まで積み重ねたものもあり、状況判断とかも凄いと思うので、 難しい戦いになると思いますけどね。競り勝つ展開になったら堤選手が勝つんじゃないですか」
――天心vs拓真は見ましたか?
「はい。見ました」
――感想を聞かせて下さい。
「両者共に凄くいいパフォーマンスだったと思うんですけど、特に序盤は、那須川選手が凄くいい戦い方をして、 4ラウンドまで結果(途中の公開採点が)イーブンでしたけどいい流れを作っていたなと見ていました。 そこから拓真選手が経験だったり、状況判断能力、あとセコンドの指示だと思うんですけど、ボクシングの展開を変えて4ラウンドから8ラウンドに距離を縮めて展開を変えに行きましたよね」
――はい。流れが変わりました。
「その展開が見ているジャッジだったり、オーディエンスへの見栄えが悪く、那須川選手がうまく対応できなかったのかなと。あとオープニングスコアなんで(負けている採点が)出て、戦い方は必ず焦るんで。 4ラウンドの時点でも若干のドロー。難しいですが、那須川選手が若干リードしてもおかしくなかったかなという風にもテレビでは見えたんですが、そこでイーブンで拓真選手陣営としては、多分やりやすい展開となり、そこから4ラウンドから8ラウンドに展開を変えて那須川選手がついていけなくて、8ラウンドでは、もうだいぶポイントが開いていくしかないという選択肢になりました。 そうなると拓真選手によけい余裕が出るんで、ボクシングの幅に深みが出て、結果、ああいう試合になったのかなと見ていました。(那須川選手は)序盤のポイントを取り切れなかった。やはり中盤、5ラウンドぐらいから戦い方をもう少し変えても 良かったのかなと。僕はもっと後ろで作っても良かったんじゃないかなと思ったんですよ(1、2ラウンドのような距離をとってのカウンターボクシング)」

