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ロンドン五輪銅メダルの清水聡の世界初挑戦が決まった。同日のW世界戦でメインを戦う井上尚弥と健闘を誓い合った(写真・山口裕朗)
ロンドン五輪銅メダルの清水聡の世界初挑戦が決まった。同日のW世界戦でメインを戦う井上尚弥と健闘を誓い合った(写真・山口裕朗)

7.25有明でロンドン五輪銅メダリストの清水聡が世界初挑戦…37歳の“ダイヤモンドレフト”は五輪連続金メダルの最強王者に勝てるのか?

 プロボクシングの元OPBF東洋太平洋フェザー級王者でロンドン五輪バンタム級銅メダリストの清水聡(37、大橋)が7月25日に有明アリーナでWBO世界フェザー級王者のロベイシ・ラミレス(29、キューバ)に挑戦することが27日、発表された。元バンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(30、同)がWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者のスティーブン・フルトン(28、米国)に挑戦するビッグマッチとのダブル世界戦となる。ラミレスはロンドン五輪フライ級、リオ五輪バンタム級の金メダリスト。珍しいメダリスト対決となるが、大橋陣営ではロンドン五輪でラミレスと戦った経験を持つ現日本ボクシング連盟理事の須佐勝明氏(38)と同五輪ウェルター級代表だった鈴木康弘氏(35)を特別コーチとして招き、サポートチームを形成。12勝(7KO)1敗の“最強王者”に挑む。

 「絶対に世界のベルトをもぎとる」

 

 待ちに待った世界戦である。
「30歳でプロデビューして、この3月で37歳に。7年間、新型コロナや、負けたこともあったが、コツコツとやりながら、こうやって世界戦にたどりつけたことを嬉しく思う。世界王者になることを一番の目標にプロになった。絶対に世界のベルトをもぎとれるようにラスト3か月しっかり頑張っていきたい」
 37歳の銅メダリストは淡々と熱い思いを吐き出した。
 2012年にロンドン五輪のバンタム級で日本人として44年ぶりの銅メダルを獲得。同五輪で金メダルを獲得した“盟友”村田諒太のプロ転向に刺激を受けて、その4年後にプロ転向した。連勝街道を突っ走り、4戦目でOPBF東洋太平洋フェザー級タイトルを獲得。2019年に1度は、当時WBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪氏との世界戦が内定していたが、その伊藤が5月に防衛戦に失敗、清水も同年7月にWBOアジアパシフィックスーパーフェザー級王者のジョー・ノイナイ(フィリピン)に挑戦して6回TKOで敗れ、眼窩底骨折を負い、1年のブランクを作った。
 再起後、2021年5月には、世界切符をかけてWBOアジアパシフィックフェザー級王者の森武蔵(現・志成)との2冠戦に挑み、激闘を制し判定勝利したものの、その後も「世界戦が決まりかけてはなくなるの連続」(大橋秀行会長)で、なかなか世界戦が決まらなかった。
 モチベーションの維持には、さぞかし苦労しただろうが「ボクシング生活は長いので、いつ決まってもいいように淡々と厳しいトレーニングを続けてきた」と、ボクシングが生活の一部になっていたからこそ耐えられたというのである。そして、ついに7年越しの悲願の世界戦が決まった。

 ラミレスは清水と同じオリンピアン。ロンドン五輪ではフライ級で金メダルを獲得、続くリオ五輪ではバンタム級に上げて再び金メダルを手にしている。ただキューバではプロが認められないため、その2年後の合宿中に米国に亡命してプロ転向を表明する、すぐに大手プロモーターのトップランクが契約を結んだほどの逸材だ。

 かつてキューバでコーチを務めていた名トレーナーのイスマエル・サラスの元でトレーニングを積んでおり、デビュー戦こそ黒星スタートとなったが、その後、12連勝して、今月1日のWBO世界フェザー級王座決定戦で、元WBO世界スーパーバンタム級王者のアイザック・ドグエボ(ガーナ)を3-0判定で下して念願の世界ベルトを腰に巻いた。ちなみにそのドグエボはロンドン五輪で清水が1回戦で勝った相手だ。

 

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