「1、2回のボクシングを貫けず(井上)拓真選手が想定以上だった」那須川天心と粟生トレーナーが「なぜ負けたか?」の“緊急反省会”…「その上をいかなきゃ世界王者にはなれない」
4ラウンド終了時点の公開採点で3者が共に「38-38」のイーブンとした。
「39-37と思って見ていたが、辛めにドローでも採点していた。どちらにせよ拓真選手が、ラウンドを追うごとに詰めてきていた。それをいかに、狂わせ、ずらすのが作戦だった。ずらしてこっちが動いて動いて、あっちを動かす感じで練習をしていた」
出てくることは想定内だったがその出方が想定外だったという。
天心は、試合後「迷いがあった」と明かした。
粟生トレーナーは「とにかく先に先にいかなきゃダメ」と指示を出していた。
「手を出す出さないではなく、先に動いて手を出せるペースを作らねばならなかったのにそれができなかった」
また大橋陣営は「接近戦が弱点」と見ていた。実際、7ラウンド、11ラウンドと接近戦の展開になると、アッパーの連打とボディを被弾して主導権を握られた。試合後、浜田剛史代表もスパーリングの段階から接近戦の対応がうまくいっていなかったことを明かしている。
「そこはキックにない展開。もっと磨かなければならないが、そこに入られないようなボクシングをしたかった。入られる前に動いて、さばいて、当ててという展開をやりたかった。自分から入るなら話は別なんですけどね。天心はそのスタイルではない。ただ接近戦は試合の中で絶対にある。いつまでも苦手だとやらなければダメなまま」
粟生トレーナーはこうも訴えた。
「切り替えられないと勝てない。こっちの力不足。経験という言葉だけで片付けるのはよくない。これをいい教訓にして、失敗を失敗のまま終わらせたくない」
そのためには「もっと自信をもって自分からいけるようにしなければならない」という。
粟生トレーナーは「本田会長と相談の上」としながらも、デビュー前に行った米国修行もひとつの再起プランとして考えられることも示唆した。まだ再スタートの時期は決まっていないが、粟生トレーナーは「ダメージもないので、ちょっと休んで本人も(早く)動きたいでしょうね」とも口にした。
天心も、試合の翌日に自らの冠ラジオ番組に出演して「すぐにでも復活したい」との意思を示している。
また天心の試合があるため粟生トレーナーがセコンドにつくことができなかった中野は、「頑張りますと言ってくれた」と現役続行の意思を示したという。
敗れてなおそのポテンシャルの高さは示した天心。勝った側の大橋会長も「いずれ世界王者になる」と語っていた。
その再起ロードに注目が集まる。

