「本当の怪物。ジャブ精度は井上尚弥クラス。フィジカルは高校時代の村田諒太以上」全日本フルマークV“スーパー高校生”藤井勇我を日本連盟の強化トップが絶賛…本人は年明けプロ入りを宣言
「これがアマチュア最後の試合です」
そう明かした。
全日本の優勝者と世界選手権に出場した選手とのボックスオフが来年2月下旬に行われ、2026年度の日本代表候補を決める。だが、藤木は、ボックスオフには出場せず、年明けのプロ入りを宣言した。
「年が明けたらプロと(考えて)やっていた。そこはぶらさずにいく」
なぜ五輪よりプロ?
そう聞くと「井上尚弥さんの存在」と返した。
「あの人がいるから、今のボクシングが盛り上がっていると自分は思っている。(井上尚弥を)超えるとか、そんなことは言えないですけど、目指しているのはみんなそこだと思うんで頑張りたいですね」
通常体重は65キロ。今回は、東農大にいる兄・勇利さんのライト級(60キロ)と出場階級がだぶらないようにあえて5キロ上のウエルター級で挑んだが、プロでは「フェザー、スーパーフェザー級」で戦いたいという。
「もちろん目標は世界チャンピオン。プロのボクシング界が厳しい世界ではわかっている」
理想とするのは「倒すボクシング」だ。
「そうじゃないと面白くないと思いますし。自分もそっちの方が好きなんです」
今大会では国際大会にあわせて「スティング」というグローブが使用された。ナックル部分が異常にでかいグローブでダメージを与えにくく、全階級を通じて決勝まで藤木だけでなくダウンシーンは見られなかった。それでも「手応えがあった」と強気だ。
さらにボクシングの魅力をこう語る。
「リングに上がってみないと、どっちが強いかわからないじゃないですか。技術があっても、1発で逆転されるところもある。そこがもうヒリヒリ、スリルがあって楽しい」
度胸と心構えはすでにプロ仕様。
年明けに大橋ジムへのプロ入りを正式表明し、高校卒業前にプロテストを受験予定。本人が「課題だらけ。ジャッジへの印象の残し方もそうだし。まだまだ強くなる」と言うように、まだディフェンス技術や攻撃のバリエーションアップなどプロに入ってからやるべきことは多い。井上尚弥に比べると世界までの時間はかかりそうだが、そのポテンシャルは、須佐氏の言葉通りだろう。楽しみな“ネクストモンスター候補”が最高の勲章を胸にプロの世界へ殴り込んでくる。

