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レッドブル角田裕毅のリザーブ兼テストドライバー降格が発表された。レーシングブルズ復帰も叶わず事実上来季のF1シートを失う(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
レッドブル角田裕毅のリザーブ兼テストドライバー降格が発表された。レーシングブルズ復帰も叶わず事実上来季のF1シートを失う(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「この決断が2027年のF1復帰の可能性を高める」なぜ角田裕毅はレッドブルのリザーブ兼テストドライバーへの“降格”を受け入れたのか…来季陣容が正式発表…事実上5年守ったF1シートを失う

 若手の登竜門的チームの位置づけを担ってきたレーシングブルズには、グループ全体が「近い将来のスター」と期待を寄せるリンドブラッドの昇格が規定路線だった。残されたひとつのシートを角田とローソンが一騎打ちで争う中で、来季陣容の決定時期が当初の10月下旬から12月上旬になった背景もF1公式サイトは、こう解説している。
「レッドブルは5年目の角田と初のフルシーズンを戦うローソンにできるだけ長く時間を与え、どちらがレーシングブルズのシートを守るに値するドライバーなのかを証明しようとあえて時間をかけてきた。角田は終盤戦に来てブレイクスルーの兆しを見せ始め、一方のローソンはレースを重ねるごとに安定感を高めてきた。最終的にローソンが選ばれたのは現時点での調子に加えて、レッドブルから降格した後の対応や、何よりも彼の潜在能力が来年のシートに留まるのにふさわしいと判断された」
 レッドブル及びレーシングブルズ以外のチームのシートは、来季から新規参戦するキャデラックを含めてすべて埋まっており、もうどこへも行き場のなくなった角田は、レッドブルのリザーブ兼テストドライバーへの降格を受け入れた。これまでは英国のF1専門メディア『GP BLOG』などに対して「正直、考えていない」と、その選択肢が考えにないことを示していた。その発言を受けてインディカーレースへの参戦の可能性を報じるメディアもあった。だが、一転して角田はそのリザーブ兼テストドライバーを受け入れた。
 その狙いはどこにあるのか。
 チームによって方針は違うが、リザーブドライバーはレースに帯同して正ドライバーが、病気、怪我などで参戦が不能になった場合に備えて代役を務める。またテストドライバーは主にシュミレーターを使っての開発テスト、データー解析などを行う。
 英国のF1専門メディア『F1 OVERSTEER』は「この決断が2027年に角田がF1へ復帰する可能性を高める」と分析した。
「来季のシートを失った失望を乗り越えた先で、角田の関心はF1への復帰へと向かうはずだ。レッドブルグループ以外では、フランコ・コラピントと来季のみの1年契約を結んだアルピーヌと角田は、2027年へ向けて十分に関連づけられる。オリバー・ベアマンが2027年にフェラーリへ移籍する見込みのハースは、代わりのドライバーが必要となる。ハース代表の小松礼雄は、角田の大ファンであることを認めていて、実際に今季へ向けたドライバー市場で角田の獲得を検討していた。ハースと技術提携を結んでいるトヨタが、著名な日本人ドライバー(角田)の起用に関心を寄せる可能性もある。もちろんその場合は、角田がホンダとの関係を解消することが前提になってくる」

 

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