プロテスト受験の19歳“ザ・サンダー”片岡雷斗を「井上尚弥のライトフライ級時代よりも相当レベルが高い」と大橋会長が絶賛した
プロボクシングのプロテストが4日、後楽園ホールで行われ、アマ6冠の大橋ジムのホープ、片岡雷斗(19)がB級テストを受験した。OPBF東洋太平洋ミニマム級王者である同門の石井武志(26)と互角以上のスパーを見せ、大橋秀行会長(60)がスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)のルーキー時代を引き合いに出して「その時と比べると相当(片岡の方が)レベルが高い」と絶賛した。片岡は6階級制覇を目標に掲げている。デビュー戦は3月予定。
「ディフェンスのスキルに優れパンチ力がある」6階級制覇が目標
大橋会長がその愛称を「言い辛く、しかも天龍源一郎や北尾光司と一緒だから」と「サンダーストーム」から「ザ・サンダー」に改名した片岡が、2分30秒×3ラウンドのプロテストの中でいきなり見せた。
相手は同門でミニマム級の東洋王者である石井。“世界王者予備軍”の石井を相手に一歩も引かず、ジャブ、ワンツーから組み立てて、左右に多彩なボディショットを放つ。遠距離、中間距離、至近距離と自在に支配。インファイトでは左のボディからアッパーへのダブルまで披露した。しかも、ステップとボディワークを駆使してほぼ被弾はしない。
石井も主役を引き立てるという配慮があり、あえて受けてはいたが、後輩のボクシングに脱帽だった。
「とにかくボクシングがうまい。パンチがあるんで簡単に入っていけないんですよ。切れるパンチですね。目もいいのでパンチが当たらない。プロデビュー前ですが、かなり完成度は高いと思います」
それでも片岡の自己採点は「70点」だった。
「100%を出させてくれないのが石井さんの強さ。緊張もありました。照明が凄いですね。ドキっとしました」
長髪が異彩を放つ。
「生意気に見られませんかね。本当は謙虚なんで」
根は真面目。そのギャップがいい。
リングサイドにいた大橋会長は「ザ・サンダー」を絶賛した。
「ディフェンスが凄い。名前は言えないが有名プロをスパーでバッタバッタ倒している。パンチもあるんだから魅力。鬼に金棒だね」
スパーでは、谷口将隆、重岡重大(共にワタナベ)に勝っているWBC世界ミニマム級王者のメルビン・ジェルサレム(フィリピン)を圧倒したことがあり「アレは誰だ?」と驚かせたという。
何発かヒットした左のボディアッパーは大橋会長の直伝。
「珍しく教えた。独特な打ち方で、今までは教えても誰もできなかったんだけど彼はできる」
WBC世界ミニマム級王者の崔漸煥(韓国)から2度のダウンを奪って9回KO勝利した伝説の左ボディである。
片岡は実際その左ボディを大橋会長に手本で打たれて威力を体で知った。
「効きました(笑)。“小指から打て!”と。そこが独特なんです」

