角田裕毅のラストランに波紋?!「もしかしたら君には厳しすぎたのかもしれない」フェルスタッペンの逆転V援護失敗を皮肉ったSNS投稿に4年前成功のペレスが同調して物議を醸す
しかし、角田は重要な任務を遂行できなかった。
角田はマシンを必死に左右に動かしながらノリスが追い抜くためのコースを塞いだが、最後はスピードで上回るノリスにインを突かれてオーバーテイクを許す。両者がスチュワードの審議対象となった攻防は、危険な走行をしたと判断された角田に5秒のタイムペナルティが科され、対照的に四輪すべてがコースアウトしたように映ったノリスは危険を回避するためだったとしてお咎めなしとなった。
自身だけがペナルティを科されたと知らされた角田は、担当レースエンジニアのリチャード・ウッド氏へ「そんなバカなことがあるのか」と思わず吐き捨てている。
英国のモータースポーツ専門メディア『THE RACE』も、記事の中でペレスのXへの投稿を掲載。
その上でレース後に「最低でも1周はノリスをブロックできると思っていた」と振り返った角田に次のように言及している。
「レッドブルは2021年のF1最終戦でペレスに与えた重要な任務を、角田裕毅に再現させる機会を与えた。しかし、結果はフェルスタッペンを初のドライバーズ選手権へ導いたペレスが、レッドブルの伝説に残る地位を得たのに対して、角田は蛇行運転でペナルティを受けただけだった。結果として角田は、2021年のペレスを再現する最大のチャンスを何もできないまま逃してしまった」
同メディアは記事の中で「かつてペレスが駆ったマシンで角田が苦戦してきた今季の軌跡を振り返れば、角田の対応は責められないかもしれない」ともつけ加えている。
レッドブルでの5勝を含めて、通算6度の優勝を誇るペレスの域にはまったく達していないと、皮肉を込めながら言及した箇所だと受け止められる。
国際自動車連盟(FIA)は決勝後に、ノリスに対する危険な走行をしたとしてペナルティポイント1を角田に追加で科した。12カ月の間にペナルティポイントが12に達したドライバーは、自動的に1レースの出場停止処分を科される。角田の同ポイントは8となったが、今季限りでレッドブルだけでなく姉妹チーム・レーシングブルズのレギュラーシートを失う角田にはもはや意味を成さない。
今季限りでアルファタウリ(現・レーシングブルズ)時代から5年に渡って守ってきたレギュラーシートを喪失する角田は、ラストレースでエースの逆転Vを援護できず14位に終わり、有終の美を飾ることができなかった。SNS上でもファンやペレスから嘲笑された“泣きっ面に蜂”の状況から、2027年のF1復活を目指して、来季はレッドブルのリザーブ兼テストドライバーとして充電の1年を過ごすことになる。

