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ドネアが堤戦に向けて公開練習(写真・山口裕朗)
ドネアが堤戦に向けて公開練習(写真・山口裕朗)

ドネアがムカッ!「言いたい人には言わせておけばいい」井上尚弥戦以来の日本リングのレジェンドが井岡一翔「堤の勝利予想」に不機嫌モード…天心に勝ったWBC王者井上拓真との統一戦を熱望

 プロボクシングの5階級制覇王者でWBA世界バンタム級暫定王者のノニト・ドネア(43、フィリピン)が17日に両国で対戦する同正規王者、堤聖也(29、角海老宝石)戦に向けての公開練習を12日、新宿区の帝拳ジムで行った。大晦日にWBAの同級挑戦者決定戦を行う井岡一翔(36、志成)の堤勝利予想と発言を伝え聞き「言いたい人には言わせておけばいい」と珍しく不機嫌になった。また今後の構想として、那須川天心(27、帝拳)を判定で下してWBC世界同級王者となった井上拓真(29、大橋)との統一戦を熱望した。ドネアは兄でスーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(32、大橋)に2連敗して得た「学び」を胸に復活をアピールしようと考えている。

 

レイチェル夫人が“参謀”だ(写真・山口裕朗)

 

 アクシデントが発生した。2ラウンド目に突入していたミット打ちをドネアが、突然、中止した。
「グローブの中が壊れた」
 1ラウンド目の相手を務めたレイチェル夫人から受け手が変わった途端に力を入れた43歳のパンチの威力が凄かったのか。それともグローブが不良品だったのか。真相は不明だが、右のグローブの内側が破損したことで、テーピングのない部分の関節が擦れて、痛みを感じたため、ドネアはミット打ちをやめてグローブを外した。
「もしこれで大丈夫ならここで公開練習は終わりにしたいが…」とメディアに丁寧に了解を得て公開練習を終了した。
 シャドーと1ラウンド半のミット打ちを見る限り、その動きは43歳とは思えないものだった。伝家の宝刀の左フックも数発披露した。
 「何か不気味さを感じますね」
 堤陣営からは石原雄太トレーナーが視察に訪れていた。
 石原トレーナーは2019年にWBSSの決勝で井上尚弥と対戦した際のドネアの公開練習を見ている。
「あの時よりは抑えてやっていましたね。ボクシングIQも高く、経験もあるんで、年齢に合わせてうまくできる。そういう部分にごまかされないようにしたいが、カウンターを狙い、いけないような空気を出す。基本的に前に重心を乗せて、そこからモーションがなく、アッパーなのか、ボディなのか、フックなのか分からないように同じ軌道でパンチを打ってくるので見えづらい。右のカウンターもあるんでどこから飛んでくるのか分かんないだろうなとも感じる。すべて想定内ですが…」
 警戒心を強めた。
「キレというよりタイミング。同時に打ってくるんで直撃をもらわないようにうまく外さないと」とも言う。
 そして陣営としての壮絶な覚悟を口にした。
「今日よりも絶対強く打ってくると思う。ショートのパンチを練習してたんで、やっぱり打ち合いにはなる。2回、3回倒されても、他を全部取る。そう堤と話をしている」
 公開練習前の会見でドネアは万全を強調した。フィリピンのセブ島で1か月以上キャンプを張り準備を整えてきた。
「自分自身の経験が何よりも勝っている。自分の勇気、勇敢さもだ。同じように堤選手にもあるものだとは思うが、これまでの試合、日本国内だけでなく、世界中で見せてきた、その自分の勇敢さというところを出していく。そこがしっかりとできれば勝負になる」
 ここ日本で井上尚弥に2度敗れた。2019年の第1戦では、左フックで井上尚弥に眼窩底骨折を負わせながらも、ボディでダウンを奪われるなどして判定負け、2022年の再戦では2回TKO負けを喫した。
 モンスターの敗戦で何を得てどう生かしたのか?
 そう質問すると、こう返した。
「自分が負けたということは、学びでしかなかった。そういった経験からしか得られないものがあり、闇の中でしか見られない光というものがある。自分自身を理解する大きな時間、経験になった。怪我がなければ時間や年齢は制限なく永遠にボクシングができることも分かった。今は制限から解き放たれて、恐れもなく素晴らしいファイターになっている」
 そう誇らしげに言った。

 

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