「ボディがめちゃくちゃ効いている」井上尚弥のボディ攻撃にピカソがラウンド間に漏らした悲鳴…自らのSNSで「負けた。自分のパフォーマンスが足りなかった」と告白
プロボクシングの「The Ring V: Night of the Samurai」(27日・サウジアラビア)でスーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(32、大橋)がアラン・ピカソ(25、メキシコ)に3-0判定勝利した世界戦の波紋が止まらない。米サイト「Defector」がピカソのラウンド間の悲鳴を伝え、ピカソ自身がSNSで「負けた。自分のパフォーマスが足りなかった」と試合を振り返った。
試合直後には「負けたとは感じていない」
1人がフルマーク。ディフェンス一辺倒のピカソからダウンを奪えずKO決着こそできなかったが、一方的にモンスターが攻めたてて12ラウンドが終わった。終盤には、指笛でファンからブーイングもどきの反発もあったが、約3000人のファンはその美しいボクシングに魅了されていた。
米サイト「Defector」は、ユーチューバーのジェイク・ポールがヘビー級の元3団体統一王者のアンソニー・ジョシュアに叩きのめされた茶番試合を引き合いに出して「ボクシングという競技が、ジェイク・ポールのような“見世物的マネー興行”で汚された直後に現れ『この残酷なスポーツが時にどれほど美しくなり得るか』をファンに思い出させる存在が井上尚弥である。井上は無敗のピカソを12ラウンドにわたって芸術的に痛めつけ、4団体の王座を防衛、その“無敵感”をさらに強固なものにした」と報じた。
ピカソは、試合後にリング誌のインタビューに応じてこう豪語していた。
「これまでのキャリアで一番厳しい試合だった。 でも自分は負けたとは感じていない。むしろ満足している。幸せな気分だ」
そしてこうも言った。
「タフで難しい試合だった。井上はとてもスピードがあり、強くて爆発力のある選手だと分かっていた。 でも正直に言うと、自分は、リングの中で良い感触を持っていた。 しっかりと前に立てたし、自分の方が上回っている、より強いと感じた場面もあった。特に後半のラウンドでは、自分の身体が上向いていく感覚があった。もっと驚くことを想像していた。 もっとパワーがありもっと強烈な攻撃をしてくると思っていた。結果は負けだったが、自分の中では勝者だと思っている」
試合終了のゴングが鳴るとピカソは両手をあげてガッツポーズをしていた。最後まで立っていることだけを目的としたその行為に対して井上は「リスペクトを感じられない」とあきれ果てていた。
だが、これはすべて強がりだった。
前出の「Defector」は、欧米で独占配信したDAZNがラウンド間に拾っていたピカソの悲鳴を見逃していなかった
「ボディが、めちゃくちゃ効いてる…」
インターバルで父でありトレーナーでもあるチンゴ・ピカソ氏にこう訴えたという。
井上が要所で打ち込んでいた左右のボディショットだ。
あれだけディフェンス一辺倒でボディ攻撃にも身構えてブロックしていたが、やはり効いていたのだ。もはやギブアップ寸前だったのかもしれない。

