「勝つ自信がなければ(井上)拓真選手に呼びかけない」井岡一翔が衝撃4回KOで5階級制覇の扉開く…5月東京ドーム決戦へ…大橋会長も「やはりレジェンドだった」と前向き…井上尚弥とピンク被りの理由も
しかし、卓越したボクシングスキルとキャリアだけではバンタム級では通用しないと考えた井岡は、その階級の壁を克服するためにトレーニング環境をガラっと変えて、この試合に臨んでいた。
新しく東京京橋にある会員制ジムBodyAxisの千田真矢フィジカルトレーナーの指導を受けてきたのだ。紹介されたのは、サウジアラビアでのWBA世界スーパーフェザー級への挑戦を眼窩底骨折のアクシデントで中止になった後輩の堤駿斗からだ。堤が習志野高2年時から指導を受けているトレーナーで那須川天心もキック時代は、田トレーナーの指導を受けていた。井岡が「単純な筋トレでなく、ピンポイントのトレーニングでつけたパワーをどうボクシングの動きの中での出力、連動に変えるか」に主眼を置いた特殊なバランス型のトレーニングで、これまでボクシングの練習とフィジカルトレーニングの割合が8-2や7-3だったものを5-5にまで変えた。その結果、36歳にして「こういう動きをするためにこういうトレーニングが必要なのか、とわかった。楽しいし、まだまだ自分にノビシロを感じた」とまでの進化を感じるに至った。
「雑な部分もあったし、試合なのでもらってしまうことがあったがやってきたことは出せた。最終的に4ラウンドでKOできたことは良かった。スパーと試合は違うが、そこでできることは試合でも80%ぐらいはできないとおかしい。無理に意気込まず、キャリアもあるし舞台慣れしているのでやってきたことを出すだけだった」
一方で2024年7月の統一戦、2025年5月の再戦と2度、フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)に敗れ、勝利からは2023年大晦日のホズベル・ペレス(ベネズエラ)戦以来、丸2年なく勝利のイメージが抱けなかったとも明かす。
「不安はなかったが、勝つという感覚が想像できなかった。勝ちから遠のいて試合後にどういう感じになるんやろうと」
そして「何がうれしいって応援してくれる方たちが悲しい顔ではなくうれしい顔でおめでとうと言われたり、妻の顔を見て喜んで安心している姿に頑張ってきてよかったなと報われる瞬間だった」と続けた。
試合後のリング上からは、「井上拓真チャンピオンに挑戦させてもらいたい」と、サプライズ発言を行った。

