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中谷潤人は井上尚弥の元スパーパートナーのメキシカンに苦戦した(写真・Matchroom Boxing/Mark Robinson)
中谷潤人は井上尚弥の元スパーパートナーのメキシカンに苦戦した(写真・Matchroom Boxing/Mark Robinson)

「中谷潤人が負けるかもしれないと思っていた」なぜ井上尚弥サウジ決戦直前に5月東京ドーム「中谷戦白紙→フェザー級挑戦」のプラン変更騒動が起きたのか…真相とは?

 

「最初スパーリングをした時から今回の中谷戦のようにガンガン前へきた。ヘルナンデスはスロースターターなので、その3、4ラウンドは尚弥がさばいて相手にならなかったんだけど、グッドマンはボクサータイプなのでヘルナンデスとはあまりにもタイプが違った。これはやっても意味がないとなって1回でやめたんだよね。でもせっかく契約しているんで、中嶋(一輝)や(松本)圭佑のスパー相手を務めてもらうことになった。すると全員がめった打ちされたんだよ」
 OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者の中嶋一輝や、“ミラモン”こと元日本フェザー級王者の松本圭佑がヘルナンデスに歯が立たなかった。
「まだ3ラウンドくらいまではいいんだよ。4ラウンドを過ぎるとどんどんエンジンがかかってきて止められなくなる。馬力があり、パンチもあって、しかも打たれても効かないし下がらない。まさに今回の中谷戦のようなパターン。これはもしかしたらやばいぞと思っていた。それで(M.Tジムの)村野会長に“打たれ強いし中盤からどんどん出てきて手数が止まらないんで注意した方がいい”と伝えておいたんだよ」
 中谷はヘルナンデスの身体が温まる前の序盤に強烈な左のパンチを何発か放っていたがダメージを与えることができなかった。中盤から終盤にかけて大橋会長が恐れていたような展開となった。中谷は真っ向インファイトで対抗したし、足を使ってサイドからボディ、アッパーで攻撃したし、再び距離を作ってワンツーを踏み込んで打つなど持ち得る引き出しを駆使したが、ヘルナンデスの前進を止めることはできなかった。 
 井上も、「僕も会長もああなる予想はずっと話していた。その通りになった」との感想を口にしている。
 マッチルームのハーンCEOが「ヘルナンデスの勝利」と語るなど、「中谷が負けていた」という見方も少なくない。“階級の壁”にぶつかった中谷の評価が急上昇して「ビッグバンならモンスターに勝てる」との気運を高めたわけではなかった。
 だが、大橋会長が危惧していた黒星という最悪の結果は回避されて中谷は全勝は守った。控室のモニターで、中谷の勝利を見届けた瞬間に大橋会長と井上自身は、互いに中谷戦へのGOサインを確認した。
 井上が言う。
「評価を落としたという人もいるだろうし、階級を上げた初戦でしっかりと戦い、キャリアを詰めたという人もいる。昨日が勝負の日ではない。来年5月に互いにベストを持ってくればいい」
 そして“参謀”の真吾トレーナーが中谷戦に向けて警報を発令した。
 「あの試合で中谷選手の評価を下すのは間違っていますよ」
 果たして井上ー中谷戦はどうなるのか。
(次回連載⑤に続く/文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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