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日本の表彰台独占を阻む最大のライバルはSP3位のリュウだ(写真:UPI/アフロ)
日本の表彰台独占を阻む最大のライバルはSP3位のリュウだ(写真:UPI/アフロ)

フィギュア日本勢のライバル米国アリサ・リュウは一家が中国スパイに監視され自らも北京五輪で「見知らぬ男に連れ込まれそうになった」壮絶過去…乗り越えたメンタルが手ごわい存在

 ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子シングルフリーが今日19日(日本時間20日)に行われる。SPで3位につけ日本勢のメダル争いの最大のライバルとされるアリサ・リュウ(20、米国)は壮絶な経験を持ち主だ。父親は天安門事件後に政治亡命した中国人。かつて中国政府のスパイに監視され、リュウ自身も2022年の北京五輪の最中に事件に巻き込まれかけた。スペインメディア「マルカ」が大会前のリュウの告白を改めて伝えた。壮絶な体験を乗り越えたリュウのメンタルの強さが日本にとっては手ごわい存在となりそうだ。

 父親は天安門事件に参加後に米国へ政治亡命

 

「ブレード・エンジェル」の呼び名で人気を集め、SPではほぼノーミスの演技で3位に入ったリュウは壮絶な経験をしてきた。
 父親のアーサー・リュウは中国人。1989年の天安門事件で抗議活動を行い、その後、中国を離れ米国へ政治亡命した。サンフランシスコ湾岸地域に定住し、2005年にリュウが生まれた。
 リュウ一家は、亡命後も中国政府のスパイの監視下に置かれた。
 北京五輪の前年の2021年10月にFBI(米連邦捜査局)から「自分と当時16歳だった娘を標的とする計画があるから気をつけろという警告を受けた」という。2021年11月には、米国オリンピック・パラリンピック委員会の代表を名乗る男が、2人のパスポート番号を求めてきたが、父親は、これを拒否した。チームUSAの担当者に連絡したところ、検察が調査に乗り出してその男が特定され、リュウ一家を監視し、新型コロナウイルス対策の渡航準備確認を装ってパスポート情報を取得するために雇われていたことが判明。中国政府がアリサがインスタグラムにウイグル族に対する人権侵害に言及した内容を把握していたことも明らかになった。
 リュウは北京五輪に米国代表として出場、女子シングルで6位に入賞したが、大会中に事件に巻き込まれそうになった。
 食堂で見知らぬ男性に声をかけられ、彼のアパートに連れ込まれそうになったことを今大会前に明かしている。
「ちょっと不気味で、でもスリリングだった。こんな若い年齢でそんなことを知るなんて想像してみてください……。ある意味では、『これってドッキリ番組?』って感じでした。『この世界は本物なの? 私って映画の主人公か何かなの?』って。でも父が活動家だった時代にしてきたことを考えれば、私には納得できる部分もありました」
 北京五輪後にリュウは一度引退を決意したが、その背景に、これらの事件が関係した可能性もゼロではないだろう。
 だが、リュウは2024年に現役復帰を決意。いきなり昨年3月の世界選手権でSP1位から、フリーでの坂本花織の追い上げをふりきり優勝。12月に名古屋で行われたグランプリファイナルでは、SP2位からフリーで逆転金メダルを獲得している。その壮絶な体験を乗り越えたきたメンタルの強さは、五輪の舞台の緊張感など問題にしない。

 

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