「1回転でも付けていれば金メダルだった」メダルの色を分けた坂本花織とアリサ・リュウの1.89点差の正体とは…無良崇人氏の見解…「リスクのあるプログラムと、ふと一瞬の…」
無良氏が説明するように演技構成点は坂本が74.84点でリュウの72.48点を上回っていた。プログラム全体の構成、プレゼンテーション(表現力)、スケーティングスキルの3項目の平均ですべて9点を越えたのは坂本だけだった。
それでも北京五輪の銅に続いての銀メダル。女子で2大会連続メダルは史上初の快挙だ。
「力を最後まで100%出し切れなかったのが凄く悔しい。でも悔しい思いをして銀メダルを取れた。今までの頑張りが実ったのかな。前は奇跡のような銅メダル。これだけ銀メダルで悔しいと思えるくらい成長したかな。4年間、頑張ってきて良かった」
フラッシュインタビューで大粒の涙を流した坂本も最後は笑顔が戻っていた。
一方の金メダルのリュウは安定感が際立った。ずっと笑顔でノーミスの演技をやってのけてSP3位からの逆転を果たした。
無良氏は「リュウ選手には坂本選手のような爆発的な加点ははついていません。着実に着氷し、確実に加点をプラスをもらっています。ミスをする感じが見受けられません。ジャンプの空中での回転力の速さもありますが、あの安定感は、感覚的な能力。ひとことでいえば天才肌」と分析した。
「北京五輪後に一度引退して復帰しました。緊張する舞台を楽しめてしまう。空気感が一人違いました。変にきばっていないその精神力の強さがこういう場で生きてきました」
リュウはフリーを前に「彼女たち(日本勢)に勝つかどうかは私の目標ではありません」と断言。
「私の目標は、自分のプログラムをやりきり、自分のストーリーを共有すること。それをするのに、誰かの上や下にいる必要はないのです」との哲学を口にしていた。その信念が演技に反映された。
初出場の17歳の中井がトリプルアクセルを成功させて銅メダルを獲得し、千葉も4位に食い込んだ。団体の銀メダルから始まり、男子シングルでは鍵山優真が銀、佐藤駿が銅、そしてペアでは“りくりゅう”ペアが大逆転の金メダルを獲得した。一大会では北京五輪の4個を抜いて史上最多のメダルだ。
無良氏は今大会を振り返りこう総括した。
「それぞれが表彰台を狙えるポテンシャルを持っていました。史上最強といって間違いないチームジャパンでした」
日本列島を感動の涙で包んだフィギュア競技は21日(日本時間22日)のエキシビションで幕を閉じる。

