• HOME
  • 記事
  • 五輪スポーツ
  • 中井亜美とアリサ・リュウが抱き合い涙した感動シーンの裏にあった真実…「金メダリストの哲学に影響を受けていた」…りくりゅうペアと坂本花織の存在が銅メダルを生む支えに
中井亜美とアリサ・リュウが抱き合い涙した感動シーンは世界中に拡散した(写真:PA Images/アフロ)
中井亜美とアリサ・リュウが抱き合い涙した感動シーンは世界中に拡散した(写真:PA Images/アフロ)

中井亜美とアリサ・リュウが抱き合い涙した感動シーンの裏にあった真実…「金メダリストの哲学に影響を受けていた」…りくりゅうペアと坂本花織の存在が銅メダルを生む支えに

 ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート女子シングルで日本フィギュア史上最年少のメダリストとなった中井亜美(17、TOKIOインカラミ)の緊急連載の第2弾。世界中にバズった金メダルのアリサ・リュウ(20、米国)との涙のハグシーンにあった真実とは?

 りくりゅうペアと坂本花織は最高の人間性

 銅メダルが確定した瞬間に中井がリュウと抱き合い涙した映像はSNSで世界に拡散してバズった。
「どこに順位が出るかわかんなくて何位なんだろうという気持ちで見ていたら名前の横に3位と書いてあって。本当に現実なのか疑うくらいビックリしました」
 中井は暫定1位選手が座るシートにいたアリサ・リュウに三本の指を示して、銅メダルだと確認すると、両手をあげて万歳。リュウにハグされて祝福されると涙があふれた。
 MFフィギュアスケートアカデミーのヘッドコーチで中井を同アカデミーが立ち上がった中学1年から指導している中庭健介氏(44)はキス&クライで並んでスコアを見守った。その中庭氏も銅メダルを獲得したことに気がついていなかった。
「普段は全部計算しているんです。なので何点取れば何位なんだと即座にわかります。でも五輪ではその計算をやめたんです。理由はショートでトップを取り、最終滑走だったことです」
 さらにこう続けた。
「りくりゅうペアが大逆転を見せたペアも、イリア・マリニンが滑った男子シングルも、最終滑走の選手がミスをして金メダルを取れませんでした。ウチもショートで1位、色々な考えが頭を廻りました。ファンの方々は金を願っていただいたと思うのですが、我々は正直金を取れるとは思っていませんでした。ただこの位置につけた以上メダルを彼女の首にかけてあげたかった。いつもならば彼女をリンクへ送り出す時には、だいたいの計算は済んでいるんです。でもこの舞台で、あえて計算はしませんでした。コーチである僕がそんな細かい気持ちでいたら五輪の大トリを支えられない。そう思っていたんです。だから、やるか、やらないか、二つに一つと覚悟を決めました」
 そう腹を決めて中井をリンクへ送り出した。
「ただなんとなくですが、141点ならメダルをもらえるかもとは思っていました。140点台でした。喜んでダメだったら最悪だし、どうしようかとリアクションできずにいたら最初にフリーの順位が画面に9位と出ました。僕も彼女もその9が衝撃すぎたんです。1、9、3ってまずないですからね。それくらい競っていたということですが、なかなか3位だと気づかずタイムラグがあったんです。するとアリサ・リュウ選手が3位だって合図してくれました。彼女は冷静でした。それで僕も亜美ちゃんも3位だとわかり、名前の隣に3とある数字を確認できました」
 中庭氏は、ジャンプをしながら喜びを分かち合っていた2人と、少し距離をおいて涙した。
 そしてその後、リュウと中庭氏もハグをして互いを称え合った。
 中庭氏はその金メダリストが中井の銅メダルに大きな影響を与えたと考えている。
「リュウ選手とは1年一緒に戦ってきました。競技者としても素晴らしいですが、性格もめちゃくちゃいい選手なんです。僕はリュウ選手のフィギュアというスポーツに対する考え方…勝負はおいといて、自分のやりたいことに集中するという、あの哲学に中井も影響を受けたと考えています。中井自身に聞いたわけではないのですが、そういう気持ちでやる道があると気づいて、今回の五輪を緊張もありつつ、楽しめたんじゃないでしょうか」

 

関連記事一覧