伝説ドネアを“神の左”で沈めた増田陸が笑わなかった理由とは…挑戦を受ける可能性があるWBA王者の堤聖也が「まずいんじゃないか」と感じた43歳レジェンドの異変
堤はドネア戦で負った鼻骨骨折の回復に時間がかかっていて「ちゃんと治っていない。ボクシングのできる状態にない」ことを打ち明けた。
4月11日に両国で行われる那須川天心(帝拳)対ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)のアンダーカードで休養王者のアントニオ・バルガス(米国)との団体内統一戦が行われる予定だったが、苦渋の決断で見送った。
「強行したかったですが、勝っても負けても後悔が残る感じがあった。チャレンジャーならやっていますよ。でも自分で後悔しない道をいきたい。ただ僕がチャンピオンであることは僕を見ている人はわかっている。そこは自信をもってやっていきたい。選択が正しかったことをのちのち試合で証明します。今の感覚だと6月から実戦をスタートできて9月には試合ができるんじゃないかな。まだわからないんですが」
辞退の理由と今度の見通しを伝えた。
「どういう流れになるか僕にはまったくわからない。(鼻を)治している間に(堤が)バルガスとやってもいいが、俺がチャンピオンですからね」との自負を隠さなかった。
堤が再び休養王者となるのか、バルガスがレギュラー王者に昇格するのか、WBAの動向はわからない。
ただひとつ確かなのは、増田がレジェンドに引導を渡して、堂々とWBAのベルトへの挑戦権を得たという事実だ。
増田は「(堤が)来ているかなとは思ったがどこにいるか意識もしていなかった」という。
そして王手をかけた世界ベルトへの思いを口にした。
「必ず世界チャンピオンになります。堤選手と再戦できるのは個人的に楽しい。でも誰が相手でも世界チャンピオンらしいボクシングができるように練習に取り組んでいきたい」
増田の持つ左ストレートはボクシングの神様がくれた宝物だろう。ぞくぞくするような一撃ほど魅力的なものはない。立教大時代に大きな冠もなかった遅咲きのストイックな28歳が日本ボクシング界の新たなるスターへの階段を上り始めたような気がする。

