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アストンマーティンが日本GPでも浮上できず(写真・ロイター/アフロ)
アストンマーティンが日本GPでも浮上できず(写真・ロイター/アフロ)

「再び混乱と緊張が高まる」アストンマーティンが日本GPフリー走行でも下位に低迷…PU供給のホンダが会見で「関係は悪化していない」と釈明も見解に食い違いが…

 もちろんドライバーを悩ませてきた肝心の問題も解決していない。
 日本GP初日のFP1では、ランス・ストロール(カナダ)が22台中で21番手。新パートナーが第一子を出産した関係で来日が遅れたフェルナンド・アロンソ(スペイン)に代わって出走したジャック・クロフォード(米国)が22番手のタイムだった。
 午後に行われたFP2でも復帰したアロンソが19番手に、ストロールは再び21番手に沈んだ。FP2でトップタイムだったマクラーレンのオスカー・ピアストリ(豪州)とはアロンソが3秒463、ストロールが3秒818とともに大差をつけられている。
 収穫を挙げるとすれば、予定されたプログラムを両者がすべて走りきった点となる。豪州GP中に行われた計3度のFPでわずか16周しか走れなかったストロールは、この日だけで計43周を走って豊富なデータを収集した。
 しかし、マシンの振動問題も依然として解決していない。
 英国のモータースポーツ専門メディア『CRASH.net』は、FP2で24周を走ったアロンソのコメントを伝えた。44歳の大ベテランはその中で、新たな家族の誕生を語った際の幸せに満ちた表情を一変させながら「マシンに対する感触は以前とほとんど変わらない」と指摘。日本GPの目標を表彰台でも入賞でもなく、ストロールとともに過去2戦で一度も果たしていない決勝での完走にすえていると明かした。
「パフォーマンスの面ではまだまだ遅れている。今後も改善に向けて取り組まなければいけない。ただ、鈴鹿はホンダにとってのホームレースでもある。我々が今のような困難な時期を過ごしているからこそ、ここでの決勝では今季初めてレースを完走できることを願っている。全周回を走り切ることが目標だ」
 中国GP決勝ではあまりに振動が酷く、ストレートでハンドルから手を離して運転せざるを得なかったアロンソのオンボード映像が衝撃を与えた。32周でピットインし、そのままリタイアしたアロンソは振動に対してこう言及した。
「手足の感覚がなくなってきた中で、体力的に続けられなかった」
 ドライバーの身体にも損傷を与えかねない振動の原因が、PUだけでなくシャシーにもあると明かした渡辺社長は、だからと言ってアストンマーティン側を責めるつもりはまったくない。前出の『AutoRacing1.com』が同社長のコメントを伝えている。
「アストンマーティンとの関係が悪化したわけではない。しかし、信頼関係は一夜にして築かれるものではない。困難な時期をともに乗り越えていくことで、時間をかけて築かれていくものだと確信している」
 日本にあるホンダの最先端研究施設『HRC Sakura』には、ホンダだけでなくアストンマーティンのエンジニアも常駐してさまざまな問題の解決に当たってきた。こうした努力の積み重ねに、1周5.807kmの鈴鹿サーキットを53周する29日の決勝で両車がチェッカーフラッグを受ける光景が融合する瞬間から、タッグを組み始めたばかりのアストンマーティンとホンダが新たな第一歩を踏み出していく。

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