角田裕毅が鈴鹿に帰ってくる!今日31日から2日間、欠場するフェルスタッペンに代わりレッドブルの「F1タイヤテスト」に参加…F1復帰への布石となるか?!
今季からレッドブル及びレーシングブルズのリザーブ兼テストドライバーに降格した角田裕毅(25)が、今日31日から2日間に渡って鈴鹿サーキットで行われる「F1タイヤテスト」に、レッドブルから出走することが明らかになった。英国のモータースポーツ専門メディア『GP BLOG』が「速報」として報じた。8位に終わった日本GP決勝後に今季限りでの引退を検討していると明かしたエース、マックス・フェルスタッペン(28、オランダ)の欠場に伴って代役を務めるもので、角田がサーキットでF1マシンを運転するは昨季最終戦のアブダビGP以来、初めてとなる。
今季限り引退示唆のフェルスタッペンはモナコの自宅へ帰った
角田が114日ぶりにサーキットに帰ってくる。
F1の今季第3戦、日本GPを終えたばかりの鈴鹿サーキットで、今日31日から2日間に渡って実施される「F1タイヤテスト」で角田がレッドブルから出走することになったと、英国のモータースポーツ専門メディア『GP BLOG』が30日(日本時間31日未明)に「Breaking News(速報)」として報じた。
同メディアは「レッドブルは不機嫌なフェルスタッペンの代役として角田裕毅を起用する」とのタイトルとともに、次のように報じている。
「角田がレッドブルで再びチャンスを得ることになった。エースドライバーのマックス・フェルスタッペンが鈴鹿でのF1タイヤテストを欠場するため、25歳の日本人ドライバーがエースの代役を務めることが急きょ決まった」
F1のタイヤサプライヤーを務めているピレリは各チームの協力のもとで、今後へ向けたタイヤのコンパウンドとコンストラクションの開発を目的とした「F1タイヤテスト」を、GPレースを終えた直後のサーキットで不定期に実施している。
日本GP決勝が29日に行われた余韻の残る鈴鹿サーキットで行われる今回のテストには、レッドブルと姉妹チームのレーシングブルズの2チームが参加。レーシングブルズからは今季のレギュラードライバー、リアム・ローソン(ニュージーランド)とルーキーのアービッド・リンドブラッド(英国)が出走する中で、レッドブルから参加するドライバーに関しては日本GP後にドタバタ劇が起こった。
前出の『GP BLOG』は次のように続けている。
「今季から導入されたF1の新レギュレーションに大きな不満を表明しているフェルスタッペンは、ドライタイヤに焦点を当てた今回のテストへの出走をキャンセル。昨年まで4年連続でポールトゥウィンを達成していた相性の良い鈴鹿サーキットで、8位と不本意な結果に終わった日本GP決勝を終えた後にすぐに帰国の途に着き、長時間のフライトを経て家族の待つモナコの自宅へすでに戻っていった」
もう一人のレギュラードライバー、アイザック・ハジャー(フランス)の参加も不透明だった状況で、今季からレッドブル及びレーシングブルズのリザーブ兼テストドライバーを務めている角田に白羽の矢が立てられた。
同メディアはさらにこう続けている。
「フェルスタッペンの代役を務める機会が与えられる角田にとっては、F1での存在感を示す上で今回のタイヤテストは大きなチャンスになる。昨季の最終戦だったアブダビGPをもって、フェルスタッペンのチームメイトとしてのシートをレーシングブルズのルーキーだったハジャーに奪われて以来、角田がサーキットでレッドブルのマシンをドライブするのは今回が初めてとなるからだ」
レッドブルが今年2月に米サンフランシスコで実施したデモンストレーション走行に参加した角田は、実際にマシンも運転している。しかし、このときは市街地マリーナ・ブールバードが舞台だった。サーキットを走るのは14位でフィニッシュした、昨年12月7日のアブダビGP決勝が現時点で最後。今回のタイヤテストで角田がいつ走るのかを含めた詳細はまだ発表されていないが、今日31日の初日でレッドブルのマシンを駆れば114日ぶりのサーキットへの帰還となる。
角田はレーシングブルズに所属していた2024年4月の日本GP後にも、今回と同じくピレリが実施するタイヤテストに、もう一人のレギュラードライバーだったダニエル・リカルド(豪州)とともに出走している。
当時の日本GPでは公式予選3回目(Q3)で10番グリッドを獲得。決勝ではスタートで順位を落としながら素早いタイヤ交換などで挽回して10位をキープし、3度目の母国グランプリ挑戦で初めて入賞を果たした勢いをテストにも持ち込んだ。
リカルドに続いてタイヤテスト2日目の4月10日に出走した角田は、午前、午後でトータル115周を走って1分34秒337のベストタイムをマーク。テスト後には「鈴鹿が大好きなので、ここで走るときはいつもハッピーだ」とこう語っている。
「このサーキットは決して飽きないし、トラックの周りに大勢のファンがいるのが見えて素晴らしい気分だった。プログラムもすべて終えることができ、ピレリに良いデータをたくさん提供できた。非常に良いテストになったと思う」
レーシングブルズからレッドブルへの昇格を目指していた2年前と今回とでは、角田が置かれた状況は大きく異なる。
プレシーズンテストの段階からF1の新レギュレーションを公然と批判していたフェルスタッペンが、日本GP決勝後に「今季限りでのF1引退を検討しているのか」と問われた際に「ああ、まさにその通りだ」と即答。さらにこんな言葉を紡いだ。
「F1をやめたからといって、何もしないわけじゃない。人生はF1だけじゃない。今は他にも情熱を注いでいるプロジェクトがたくさんある。レースの背後にある仕組み全体を楽しめていないのならば、レーシングドライバーにとってそれは自然な感覚ではない。今のF1は心地良くない。ドライビングの真髄に反している」
F1からの引退を検討していると、フェルスタッペンが公の場で初めて認めたやり取りは、英公共放送局『BBC』が最初に掲載した記事を介してF1界全体を騒然とさせ、一夜明けても元世界王者の去就を巡るさまざまな記事が飛び交っている。
フェルスタッペン自身は中東情勢が悪化した関係でバーレーン、サウジアラビア両GPが中止となり、中断期間に入る4月を熟考期間にあてる意向を示している。その4月にF1とその統括団体である国際自動車連盟(FIA)が緊急会合を開き、新レギュレーションを分析するとともに変更の可能性について協議する結果も注視している。
フェルスタッペンの引退は、現時点ではあくまで検討段階となる。しかし、すでにGT3レースへ大きな興味と熱意を抱いているフェルスタッペンの去就は、来季のF1復帰を目指して他のカテゴリーのレースには出場せず、リザーブ兼テストドライバーへの降格をあえて受け入れた角田の今後とも決して無関係ではない。
その意味でも鈴鹿サーキットでレッドブルのマシンを駆る今回の代役出走は、単なるタイヤテストに留まらない。ファンも観覧可能(有料)な鈴鹿サーキットで見せるパフォーマンスは、角田の未来にも大きな影響を及ぼすはずだ。

