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小國が井上尚弥と戦った元2団体統一王者のタパレスに3-0判定勝利(写真・山口裕朗)
小國が井上尚弥と戦った元2団体統一王者のタパレスに3-0判定勝利(写真・山口裕朗)

「奇跡?天変地異が起きた」なぜ37歳の小國以載は井上尚弥と戦った元2団体統一王者タパレスを判定で下す”大番狂わせ”を起こせたのか…当日体重9キロ増の”油断”を見抜いたボディ攻撃

 プロボクシングの123.5ポンド(56.02キロ)契約10回戦が3日、後楽園で行われ、スーパーバンタム級の元WBA、IBFの2団体統一王者で現WBC同級2位、WBO同級3位、IBF同級4位のマーロン・タパレス(31、フィリピン)が37歳の元IBF世界同級王者の小國以載(角海老宝石)に0-3判定で完敗するという大番狂わせが起きた。前日計量で30グラムオーバー、当日体重を9キロも増やした影響からか、小國のボディ攻撃に何度も動きが止まりグロッキー寸前になる始末。勝った小國が世界ランク入りすることは間違いなく、この階級の4団体統一王者は井上尚弥(32、大橋)だが、「口が裂けても(井上に挑戦したいとは)言わない」と名乗りはあげず「弱い人と王座決定戦で戦いたい」と報道陣を笑わせた。

 

これがジャッジペーパーだ

 

もう判定を聞くまでもなかった。
 ボコボコにされたのは小國ではなくタパレスの方だった。
 5回に右のボディストレートでタパレスの動きを止め、右目の上を流血させた。7ラウンドには左のボディから右のボディがめりこみタパレスは両手を下げて苦悶の表情を浮かべ、小國の追撃の一打にロープに吹っ飛んだ。8ラウンドにもボディ攻撃で戦意を喪失。足の付け根あたりに異変が生じたのか、もう青色吐息だった。キャンバスに膝をつかなかったのは元2団体統一王者の意地でしかない。
「勝っているから、ダウンだけはするな」
 阿部弘幸トレーナーにそう言って最終ラウンドに送り出せれた小國はその10ラウンドも左ボディを効かせ「カニ歩きだ!」の指示で足を使い、タパレスの反撃を封じ込んだ。
「勝利の確信があった」
 試合終了のゴングが鳴ると小國は両手を突き上げ、一方のタパレスは無表情のままコーナーに下がった。その左脇腹は真っ赤に変色していた。96―94、97―93、98―92の判定が出ると、タパレスは完敗を認めて小國に拍手を送っていた。
「こんな奇跡ある?天変地異が起きた」
 控室の戻った小國はまだ興奮が冷めていなかった。
「自信?そんなのあるわけないじゃないですか」
 スパーリングでは東京農大の学生に倒された。
「恥ずかしいし悔しかった」
 サウスポーは大の苦手で、2戦前には村田昴(当時帝拳)に6回KO負け。しかも、今回の相手は2024年12月にモンスター井上尚弥が倒すのに10ラウンドまでかかった元2団体統一王者。
「もちろん負ければ、これが本当に最後だった」
 陣営も勝てるとは思っておらず会長の元WBA世界ライト級王者の小堀佑介氏は「これは冗談じゃなく、もうこれが最後になるんで、小國の角海老グループへの入社式を月曜日に予定していた」という。
「これで入社式は伸びましたね」
 2人は「角海老魂ですよ!」と声を揃えて報道陣を笑わせた。
 ただ綿密なタパレス攻略作戦を準備はしていた。
 後半勝負とボディ攻撃である。
「4ラウンドまでは左ボディを打つなと。めっちゃ打ちたかったけれど、向こうがしんどい後半に効かなくなる。我慢した」

 

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