
WBAがバンタム級王者、堤聖也の「休養王者」を正式認定…7月に横浜で暫定王者から正規王者に昇格のバルガスに比嘉大吾が挑戦へ
プロボクシングのWBAは17日(日本時間18日)、WBA世界バンタム級王者の堤聖也(29、角海老宝石)を医学的な理由などで防衛戦を行えない「休養王者」に正式に認定したと発表した。暫定王者だったアントニオ・バルガス(28、米国)は正規王者に昇格。これにより7月に横浜市内で行われる予定で交渉の進んでいる元WBC世界フライ級王者、WBA世界バンタム級3位、比嘉大吾(29、志成)とバルガスの試合は暫定王座戦ではなく正規の世界戦となる。また勝者は、堤との王座統一戦を義務づけられている。
5月6日にWBAに左目手術の診断書が提出されていた
WBAが堤の休養王者認定を発表した。WBAが公表したレポートによると、堤の世界戦をプロモートしている帝拳の本田明彦会長が6日にWBAに診断書を提出。WBAは、選手権委員会で、これを認めて堤を休養王者とすることを決定した。
WBAでは「医学的、法的、その他の正当な理由で一定期間内にタイトルを防衛することができない場合、戦線を離脱した王者を休養王者と指定する」という規約がある。
また暫定王者のバルガスを正規王者に昇格させることも併せて発表された。
WBAは、3月26日に堤に暫定王者バルガスとの王座統一戦を指令した。堤陣営は、7月にバルガス戦を行う方向で交渉を進めていたが、堤が左目の「傷ついた角膜」の手術を受けたため、期間内の指名試合が不可能となり、休養王者を申請することになった。
堤は、日本バンタム級王座の2度目の防衛戦となる2023年3月の南出仁(セレス)戦を7回TKOでクリアした後から、左目に痛みを訴え「ずっと痛いわけじゃないが、調子が悪いときは目を開けられない」状態にあったものの「だましだまし」試合を続けていた。昨年9月に手術を行う予定だったが、10月にWBA世界同級王者、井上拓真(大橋)への挑戦が決まり判定勝利。手術予定が今年2月にズレ込んだが、今度は比嘉との防衛戦が決まり、また延期となった。比嘉戦ではダウンを奪われたものの、そのラウンドの後半にダウンを奪い返す激闘の末、ドローでベルトを守ると、手術を敢行した。
経過は順調で、17日に行われた「すみだボクシング祭り」での比嘉とのトークショーでは「医者が驚くほどの回復。半年くらいかかかるものが1週間くらいで(回復している)。ご心配なく」と説明していた。
今後、堤は、治療、リハビリの予定及び、8月までにリング復帰できる予定であることを記した医療報告書をWBAに提出する必要があるという。
またWBAでは、休養王者が設定された場合、暫定王者から正規王者に昇格となったバルガスへの指名試合を指令するため、7月に横浜市内で予定されていた堤とバルガスの王座統一戦が、バルガスに比嘉が挑む世界戦に切り替わることがほぼ確実となった。