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大阪でボクシング転向3戦目を迎える那須川天心が計量をパス。対戦相手とグータッチ(写真/山口裕朗)
大阪でボクシング転向3戦目を迎える那須川天心が計量をパス。対戦相手とグータッチ(写真/山口裕朗)

“中指立て騒動”を起こした那須川天心“パパ”が初のKO決着に太鼓判…「中指を立てずに抱きしめてあげたい」

プロボクシングの「PRIMEVIDEO PRESENTS LIVEBOXING6」(23日・エディオンアリーナ大阪)の前日計量が22日、大阪市内のホテルで行われ、121ポンド(54.8キロ)の契約体重で8回戦を戦うボクシング転向3戦目の那須川天心(25、帝拳)と対戦相手のWBA&WBO世界バンタム級14位のルイス・ロブレス(25、メキシコ)が揃って一発でパスした。5歳から天心をトレーナーとして見守ってきた父親でTEPPEN GYM会長の弘幸氏(54)は「明らかに変わった。3度目の正直」と、初のKO決着に太鼓判。前試合ではKOできなかった天心に向けて中指を立てて炎上騒動となったが、「KO勝利した天心を中指を立てずに抱きしめてやりたい」と期待を寄せた。

 母親手製のおかゆでリカバリー

 

 14秒続いたフェイスオフが解けると天心は世界ランカーに自らグータッチを求めた。
「1、2戦目は好戦的に“かっ”という感じで(フェイスオフを)した。でも、今回は、そういう感じではなく、自分のイメージ的には、相手に好きにさせる。“やってやろうじゃない。この選手と戦って嬉しい”と思うように念を送った」
 ボクシング3戦目で心のどこかに余裕ができたのだろう。
 だが、グータッチには、ある狙いがあった。
「自分から仕掛ける。オレのペース」
 すでに心理戦が始まっている。計量時から自らが主導権を握る。世界ランカーを相手にしても、天心はしたたかだ。
 計量は予備計量で少しアンダーだったため、その分だけ直前に水を飲んでリミットピッタリに仕上げた。フラッシュがたかれると投げキッス。
「体重作りだけで言えば、キック時代と変わらない。もう50回はやっている。体重を作るのはプロとして当たり前。いつもよりも楽でした。水抜きじゃなく、脂肪を削ることに重きを置いた。カスカスじゃない」
 今回は将来的なバンタム級転向を見据えて、1、2戦のスーパーバンタム級のリミットよりも1ポンド(約450グラム)下げた。それでも格闘技界で主流になりつつある前日に3キロ以上を風呂に入って落とす“水抜き”ではなく、通常の練習時から徐々に落とす、“昭和の減量法”を採用した。キック時代と違い、明らかに足がシェイプアップされ、ボクサーの体形に変わりつつある。リカバリーは、慎重に10分おきに100グラムずつ、2時間かけて計2リットルの水を飲み、母親手製のおかゆを食べる。わざわざ千葉からポットに入れて持ってきてくれたそうで「たぶんふやけていると思う」と笑った。
 計量を最後まで見守っていたのが父親でTEPPEN GYM会長の弘幸氏だ。キック時代は二人三脚で無敗街道を突っ走った。特に弘幸氏が授ける戦略には光るものがあった。
 弘幸氏は昨年6月にTEPPEN GYM大阪を堺筋本町にオープン。20日に大阪入りした天心は今回最終調整を父親のジムで行い、弘幸氏が2日続けてミットを持った。
「これまでとは全然違っていて驚きました。余計な動きが削られてプレッシャーがかけられるようになった。その分、体重が下(下半身)にあり、パンチもキレるし、チャンスに一気にいい攻撃ができるようになった」

 

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