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9月14日に対戦予定のWBA世界同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフがカルデナスと同じモンスター攻略法を取っている可能性が高い(写真・山口裕朗、AP/アフロ)
9月14日に対戦予定のWBA世界同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフがカルデナスと同じモンスター攻略法を取っている可能性が高い(写真・山口裕朗、AP/アフロ)

井上尚弥と真吾トレーナーの“緊急会議”が米ラスベガスでの試合後に開かれていた…そこで話された衝撃の内容とは?

 プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)が米ラスベガスでWBA1位のラモン・カルデナス(29、米国)を8回逆転TKOで破った衝撃の余波は、今なお続いている。父で専属トレーナーの真吾氏(53)に聞く激闘の真実。試合後に真吾トレーナーは井上と緊急会議を開いていた…。

「カウンター狙いにカウンター返しではボクシングにならない」

 劇的な逆転のTKO勝利で本場米国の“聖地”T-モバイルアリーナに駆けつけた8000人を超えるファンを熱狂させた井上だが、2ラウンドにダウンを奪われるなど、試合内容そのものとしては苦戦を強いられた。
 試合後の公式会見で井上は、「一番感じたのは(カルデナスが)凄い対策をしてきたということ。映像で見ていたカルデナスとまったく違った。2、3倍は強かった」と、正直な感想を明かしていた。
 カルデナスは、ある作戦を徹底した。
「井上が入ってくるところを狙っていた。パンチを打つ時にガードが下がることがわかっていた。打ち終わりの隙を狙ってカウンターを合わせるという作戦だった」
 ガードを固めて井上の打ち終わりにカウンターを徹底的に狙う作戦。ロープを背にしながらも2ラウンドにダウンを奪った左フックを執拗に狙い続けてきた。ただ引くだけでは、井上の隙を見つけることができないため、ジャブを放ち、時には前に出て打ち合いを挑む。カルデナスは、井上のラッシュを受けても不気味に笑い、ジャブ、ボディ、左右フック、右ストレートと機を見て打ち込んできた。フィジカルと勇気が揃わねばできない戦略ではある。
 作戦を立てたのは、あのマニー・パッキャオ(フィリピン)に土をつけた元2階級制覇王者のティモシー・ブラッド・ジュニア(米国)を育てたことで知られる名トレーナーのジョエル・ディアス氏。
「1ラウンドに何がうまくいき、何が問題かをチェックした。コーナーでラモンは“井上のパワーは大丈夫だ”と話した。だから作戦を遂行することにした。ラモンは両手共にパワーのあるパンチを持つ。遅かれ早かれダウンを奪えることはわかっていた。我々の作戦は素晴らしかったんだ」
 そう試合後に胸を張っていた。
 そして懸念されるのはカルデナスがお手本を示したモンスター攻略法を今後、他のボクサーが真似してくる可能性だ。
 だが、名参謀である真吾トレーナーはそんなものはお見通しだ。今後想定されるモンスター攻略法への対策に乗り出す考えを明かした。しかもすでに現地で井上と“緊急会議”も行っていたという。
「試合後に尚とも話したんです。それについて話し合わなきゃいけないと思っています。カルデナスのように打ち終わりを狙ってくる作戦であれば、普通は、こっちも手を出さずカウンターを狙うという作戦になる。でも、それでは(お互い見合って)ボクシングにならない。そういうタイプに対してどうするか。尚は、向こうがこなければいくタイプ。でも、そこを狙われるのであれば、その場合、どう組み立てていくかを考えないといけない」

 

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